2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18350048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西林 仁昭 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40282579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 由寛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (00347270)
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Keywords | 触媒反応 / ルテニウム / 置換反応 / 硫黄 / 不斉合成 / 光学活性配位子 / エナンチオ選択性 / 多核錯体 |
Research Abstract |
多核遷移金属錯体内に存在する金属-金属間の相互作用を利用して特異的な反応性を発現させ、従来の単核金属錯体を用いた時には達成できなかった触媒反応の開発を行った。具体的には、申請者らの研究グループが検討を行ってきた独自性の高い「カルコゲン(硫黄、セレン、テルル)架橋二核ルテニウム錯体を用いた時にのみ特異的に進行する新規分子変換反応」に関する研究のさらなる発展及びリンに代表される周期律表第15周期に属する元素(リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス)で架橋された新しい同種及び異種多核金属錯体を設計・合成するとともに、、新たに構築された多核反応場での新しい触媒反応性の開発について研究を行った。本年度の研究結果は次の2点である。(1)N-置換インドール誘導体のエナンチオ選択性なプロパルギル化反応の開発に成功した。触媒量の光学活性硫黄架橋二核ルテニウム錯体存在下、N-置換インドール誘導体とプロパルギルアルコールとを反応させると、インドール環のベータ位がプロパルギル化された生成物が良好な収率及び高エナンチオ選択的に得られた。(2)硫黄架橋2核ルテニウム錯体の類縁体である硫黄架橋2核オスミウム錯体の合成を試みたが、現在の所該当する錯体の合成には成功していない。しかし、幾つかの副生成物である単核オスミウム錯体の単離に成功し、その詳細な構造を単結晶X線構造解析によって確認した。
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Research Products
(4 results)