2007 Fiscal Year Annual Research Report
含フッ素カルベン種の高機能化による有機フッ素化合物合成法の開発
Project/Area Number |
18350054
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
網井 秀樹 Kobe University, 大学院・理学研究科, 准教授 (00284084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 昌彦 神戸大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60192704)
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Keywords | 有機合成化学 / 有機フッ素化合物 / 有機金属化学 / 選択的変換 |
Research Abstract |
有機フッ素化合物は、フッ素原子が醸し出す特異な性質により、医薬・農薬、並びに液晶等の機能性材料として注目を浴びている。本研究に関連するジフルオロメテレン化合物(-CF_2-基を有する化合物)には顕著な生理活性を示すものが報告されているので、その効率的か合成法の開発が望まれている。本研究は、ジフルオロメチレン化合物合成に対し有効な手法として、最もシンプルな構成単位としてジフルオロカルベン(:CF_2)に着目し、これを多岐にわたるフッ素化合物合成に展開するものである。 平成19年度は、ジフルオロカルベンから誘導できる合成ブロック:ケイ素及びホウ素官能基を有するジフルオロシクロプロパンを新たに開発した。ケイ素置換基を有するビニルホウ素化合物に対し、クロロジフルオロ酢酸ナトリウムの熱分解により生じたジルオロカルベンを反応させると、環化付加反応が進行し、対応する2官能性ジフルオロシクロプロパンが得られた。続いて、ホウ素部位の変換反応として、リチウムカルベノイド化合物との増炭反応を行なった。またケイ素部位の変換反応として、フッ化物イオンによる求電子剤との反応を行ない、多様なジフルオロシクロプロパンを得た。 新たに、ブロモジフルオロ酢酸類を用いるジフルオロメチレン化合物合成を行なつに。すなわち、ブロモジフルオロ酢酸エステルと芳香族ハライドとの銅触媒クロスカップリング反応と、それに続く脱炭酸反応と組み合わせることにより、芳香族化合物にジフルオロメテル基を導入する手法を開発した。
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Research Products
(4 results)