2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しいオレフィン系ポリマーの精密合成を可能とする高性能チタン錯体触媒の創製
Project/Area Number |
18350055
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
野村 琴広 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 准教授 (20304165)
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Keywords | 遷移金属錯体触媒 / 精密重合 / チタン錯体触媒 / 配位子設計 / 新規ポリマー / エチレン系ポリマー / 均一系触媒 / 機構解析 |
Research Abstract |
本課題は、従来の遷移金属触媒による配位重合で達成できない新しいオレフィン系ポリマーの創製・精密合成を指向し、高性能分子触媒の設計指針の確立とオレフィンの相対反応性の知見の確立、合成したポリマーの構造・特性解析を主目的としている。平成19年度の成果は以下の通りである。 非架橋ハーフメタロセン型チタン錯体触媒、Cp'TiCl_2(L)[Cp'=シクロペンタジエニル配位子;L=アニオン性配位子]、を用いるオレフィンと非共役ジエンとの共重合と続く化学反応により、従来の(超高圧・高温)条件下よりも格段に温和な条件下で、しかも分子量や組成の揃った極性官能基を有するポリオレフィンを精密合成する手法を確立した。 高透明性機能を有する環状オレフィン系共重合体の効率的な精密合成に有用な錯体触媒の配位子設計に関する研究に取り組み、特にCp'配位子やケチミド配位子上の置換基の異なるチタン錯体を合成・同定し、エチレンとノルボルネンとの共重合における置換基の効果や使用するオレフィンへの配位子上の置換基効果に関する有用な知見を得た。シクロペンテンとの共重合に従来触媒より極めて高活性を示す錯体触媒の創製にも成功している。 非架橋ハーフメタロセン型チタン錯体のアニオン性支持配位子をフェノキシイミンとした錯体を各種合成・同定し、一部の錯体はX線構造解析で構造決定した。C_5Me_5配位錯体はエチレン重合に高い触媒活性を示し、Cp配位錯体はスチレンの立体特異性重合に高い触媒活性を示すことが明らかになった。 助触媒を必要としない重合触媒として、Ti-A12核錯体の合成・同定及び構造決定に関する課題に取り組み、A1上の配位子効果に関する有用な知見を得た。
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Research Products
(13 results)