2008 Fiscal Year Annual Research Report
ポリ(置換メチレン)合成による新しい高分子の合成に関する研究
Project/Area Number |
18350066
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井原 栄治 Ehime University, 理工学研究科, 教授 (90243592)
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Keywords | ポリ(置換メチレン)合成 / ジアゾカルボニル化合物 / パラジウム錯体 / ジアゾアセトアミド / 網目状ポリマー / N-ヘテロカルベン |
Research Abstract |
1.ジアゾカルボニル化合物の重合において高分子量体を与える開始剤系の開発 N-ヘテロカルベン(NHC)を配位子とするパラジウム(Pd)O価錯体とテトラフェニルボラートの混合物を開始剤とするジアゾ酢酸エチルの重合により,分子量2-3万程度のポリ(エトキシカルボニルメチレン)が得られることを見出した。しかも,この重合により得られるポリマーの主鎖の立体構造(tacticity)が,NHCの構造によって変化することが判明したが,これは今後の立体特異的重合への応用の可能性を示唆するものである。 2.ジアゾアセトアミドの重合による新しい高分子の合成 窒素上に様々な置換基を有する各種のジアゾアセトアミドのPd錯体による重合を試みたところ,主鎖の全ての炭素にN-置換カルバモイル基が結合した構造のポリマーを得ることに成功した。ここで得られたポリマーは感温性ポリマーとして知られるポリ(N-置換アクリルアミド)よりも,主鎖の周囲のカルバモイル基の密度が高く,機能性材料としての応用が期待できるものである。 3.二官能性ジアゾカルボニル化合物の重合による網目状ポリマーの合成 各種の二官能性ジアゾカルボニル化合物を新たに合成し,一官能性ジアゾカルボニル化合物との共重合を行ったところ,溶媒に不溶な網目状ポリマーを得ることに成功した。ここで得られたポリマーは,ビニル重合により得られる網目状ポリマーよりも,網目内の官能基の密度が高いという特徴を有している。
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Research Products
(9 results)