2008 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレン内包多原子クラスターがフラーレンケージに与える電子物性変化の解明
Project/Area Number |
18350068
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
日野 照純 Ehime University, 大学院・理工学研究科, 教授 (10105827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 隆文 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70260156)
久保園 芳博 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80221935)
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Keywords | 電子状態 / 光電子分光 / フラーレン / FET / ナノネットワーク |
Research Abstract |
本研究は一連の金属内包フラーレンの光電子スペクトルを測定し、これらの電子状態に関する情報を得て、金属内包フラーレンが分子エレクトロニクス材料としての可能性を伝導特性の測定を加味して判断することを目的としている。この目的に沿って、今年度は光電子分光装置の改良を行い、電子量を計測するマルチチャンネルプレートの発光を検知するCCDカメラを高性能なものに変更することにより、測定の効率化を行い、十分短時間での測定も可能とすることができた。このように改良された装置等を用いて、今年度はTm_2@C_<82>、 Tm_2C_2@C_<82>、 Sc_2C_2@C_<84>、 Er_2C_2@C_<82>などの金属内包フラーレンの紫外光電子スペクトル(UPS)を測定した。また。これまでに測定したY_2C_2@C_<82>の3つの構造異性体のUPSを比較検討し、分子軌道計算から予想される理論スペクトルを求め、内包されているY_2C_2クラスターのケージ内での位置や構造に関する知見を得ることに成功した。さらに、これまでに測定されているSc_3N@C_<78>などの測定結果を検討し、理論計算を行うことによって内包原子団の構造に関する情報を蓄積しつつある。まだ、予備的な結果ではあるが、Sc_3N@C_<78>内のSc_3Nクラスターは平面構造ではなく、4面体構造を取っている可能性が高いことが明らかになりつつある。これは、C_<78>ケージが小さくSc_3Nクラスターを平面構造で収納することはエネルギー的に不利なことと関連していると見られる。一方、Lu内包フラーレンではケージ内にC2が含まれているとC2を含まない場合で、両者の酸化状態(形式電荷やLu4f準位のイオン化エネルギー)に違いがあることが明らかになりつつある。このことは、内包されている金属および炭素原子間に何らかの結合の存在を示唆するものである。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Electronic Structure of Yttrium and Carbon Atoms Encapsulated Metallofullerenes, Y_2C_2@C_82 : Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy and Theoretical Calculation
Author(s)
S. Hino, T. Miyazaki, Y. Aoki, N. Wanita, M. Kato, R. Sumii, T. Akachi, T. Inoue, Y. Ito, T. Sugai, H. Shinohara
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Journal Title
Bull. Chem. Soc. Jpn. (印刷中)
Peer Reviewed
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[Presentation] M_2@C_<80>(M=La, Ce, Lu, LuC)の紫外光電子分光2008
Author(s)
宮崎隆文, 青木雄祐, 徳本頌治, 隅井良平, 沖本治哉, 梅本久, 赤池祐彦, 伊藤靖浩, 篠原久典, 日野照純
Organizer
フラーレン・ナノチューブ学会
Place of Presentation
東京(東京工業大学)
Year and Date
2008-08-27
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