2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体物質およびその関連物質を用いた発光ダイオードの作成、物性測定
Project/Area Number |
18350070
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田島 裕之 The University of Tokyo, 物性研究所, 准教授 (60207032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 真生 東京大学, 物性研究所, 助教 (80376649)
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Keywords | 生体機能性物質 / 電界発光 / ポルフィリン / フタロシアニン / 分子素子 / 光起電力 / 有機伝導体 / スピンクロスオーバー転移 |
Research Abstract |
(1)分子配同と電流た竃圧特性の同時測定 電流一電圧特性と,吸収スペクトルの偏光度を同時に測定するシステムを開発した。分子に由来する特定の吸収バンドは分子配向と密接な関連があるので,このシステムを用いることにより,電流一電圧特性の異常が分子配向の変化によるかそれとも別の要因に由来するかを実験的に明らかにすることができる。このシステムを用いて以下の実験を行った。 (a)heminの電圧誘起転移においては,分子配向の変化が関連していることを昨年の研究で明らかにしたが,この配向変化が電流一電圧特性の異常と密接に関連していることを,同時測定により明らかにした (b)導電性高分子P3HTの電流-電圧特性においては,規則的なヒステレシスループが観測されるが,このヒステレシスループは分子配向の変化によることを明らかにした。 (2)スピン転移と電界発光の相関の研究 heminの電圧誘起発光スペクトル変化は,高スピン-低スピン転移に伴って電界発光の様子が変化することを示唆している。そこで,スピンクロスオーバー転移を起こす試料中に発光分子であるクロロフィルを閉じ込めて,電界発光測定を行ったところ,スピンクロスオーバー転移に伴う電界発光の消失を観測することに成功した。また,この研究に基づいた特許申請を行った。 (3)強磁場中の光電流測定 強磁場中で光電流測定を行い,磁場が光電流に大きな影響を与えることを見出した。 (4)CELIV法による移動度測定 CEILN法は,薄膜試料で移動度を測定できる手法として注目されている。極低温で,この実験が可能な測定システムを立ち上げて,実験を行った。 (5)輸送方程式の数値計算 薄膜デバイスの電気物性を定量的に解析してゆくためには,非線形の連立微分方程式である,半導体の輸送方程式を数値計算により解く必要がある。そこで,このような計算ができるプログラムを作成した。
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