2008 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化調節を目指した炭素材料表面の有機化学的加工
Project/Area Number |
18350071
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村田 静昭 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 教授 (50157781)
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Keywords | 核酸 / 合成化学 / 超分子化学 / ナノチューブ・フラーレン / 複合材料・物性 / ナノ微粒子 |
Research Abstract |
様々な大きさのナノ構造体表面でのDNAの自己組織化を促進させるため、直径10〜100 nmサイズの粒子を基盤として、表面をDNA凝縮性アミノシランによって様々な割合に修飾したナノ粒子を調整することができた。これらを用いてDNA折り畳み自己組織化を研究し、粒子サイズおよび表面修飾基の性質と作り出されるDNA折り畳み構造体との関係を明らかにすることができた。この結果を基に、金属イオンによるDNA分子の柔軟化効果を見出すこともできた。柔軟化されたDNAはヒストンと同サイズの直径10 nmの粒子表面上に巻き付き、ループ構造体を構築した。一方粒径100 nmの粒子では、表面にDNAがランダムに吸着されたDNA凝縮体(分子複合体)を形成した。このような、DNA複合体の構築には粒子サイズのみならず、表面アミンの量の影響も受ける。大きさが10 nmで表面アミン(電荷)量がヒストンに近い粒子が相対的に秩序体を構築しやすいことも見出した。これらの結果は、真核生物における核酸分子構造体であるヌクレオソームの形成をモデル化したものに相当する。現在論文を執筆中である。この他、従来開発したDNA凝縮性分子より生物親和性の大きな光学活性プテリジン系化合物やオリゴペプチドを、ビス(フレロイド)テトラエステル上でのエステル変換反応によりフラーレン外部に導入するのに必要な官能基変換に関する研究を行った。また、フラーレン誘導体の表面修飾により合成した開口フラーレンを用いて、これまで合成していたものよりも大きな分子であるアンモニアやメタンをフラーレン内部空間に挿入させた、フラーレン-分子複合体を合成することにも成功した。これらのフラーレン-分子複合体は、既にweb上にて論文発表されているが、内包された分子サイズにおけるチャンピオンデーターである。
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Research Products
(5 results)