2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子設計による自己組織化の制御とそれを利用した新規ナノ機能材料創製
Project/Area Number |
18350077
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松本 睦良 Tokyo University of Science, 基礎工学部, 教授 (00358053)
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Keywords | 自己組織化 / LB膜 / 相分離 / パターニング |
Research Abstract |
本研究では分子の自己組織化を利用したボトムアップ法を用いたナノ物質創製を行い、その構造と機能を明らかにすることと、構造制御、機能制御を行うことによるナノ機能材料創製を目的とした。まずフッ化炭素部分と炭化水素部分を併せ持つ新規の両親媒性シランカップリング剤を系統的に合成し、その成膜挙動を検討したところ、フッ化炭素部分が8以上であれば水面上で単分子膜を形成することがわかった。そこで種々の長さの長鎖脂肪酸との混合LB膜を作製した。長鎖脂肪酸のアルキル基の長さが小さい場合はマイクロメートルスケールの円形ドメインを形成したが、短い長鎖脂肪酸を用いると長鎖脂肪酸がナノワイヤ型のドメインを形成することがわかった。このことはシランカップリング剤と長鎖脂肪酸との混合LB膜において、ドメインの形状とサイズはドメイン境界の線張力と双極子-双極子相互作用という二つの競合する相互作用により決定されることを示している。分子間相互作用が線張力に与える効果を考慮することにより、ナノ構造の形成を説明することができた。また、前年度の研究成果に基づき、脂肪酸とハイブリッドカルボン酸に加えて両親媒性シランカップリング剤を含む3成分混合LB膜の構造を検討した。この3成分混合LB膜においてもナノ構造を形成する系を見つけることが可能であり、その系においては、脂肪酸とハイブリッドカルボン酸の組み合わせがナノ構造を与える場合に限られることがわかった。この系においては、混合LB膜を基に鋳型作成が可能であり、J会合体を形成する色素を導入することができた。
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