2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子設計による自己祖組織化制御とそれを利用した新規ナノ機能材料創製
Project/Area Number |
18350077
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松本 睦良 Tokyo University of Science, 基礎工学部材料工学科, 教授 (00358053)
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Keywords | 自己組織化 / LB膜 / 相分離 / パターニング |
Research Abstract |
本研究では分子の自己組織化を利用したボトムアップ法を用いたナノ物質創製を行い、その構造と機能を明らかにすることと、構造制御、機能制御を行うことによるナノ機能材料創製を目的とした。まず研究室で系統的に合成したフッ化炭素部分と炭化水素部分を併せ持つ新規の両親媒性シランカップリング剤と種々の長さの長鎖脂肪酸との混合LB膜を作製した。この系で線張力を化学的に調整することにより、相分離構造を制御することが可能であることを明らかにした。次に相分離構造に対する散逸構造の役割を解明するために、水面上に分子を展開してから圧縮するまでの経過時間を変化させ、LB膜を作製したところ、相分離構造が経過時間に強く依存することが分かった。このことは水面上に分子を展開した後、圧縮までの間に分子の集合状態が変化することを示している。また、脂肪酸、ハイブリッドカルボン酸、両親媒性シランカップリング剤からなる3成分混合LB膜の相分離構造を検討した。この3成分混合LB膜においても分子間相互作用の制御によりマイクロメートルからナノメートルスケールの相分離構造を制御できることが明らかとなった。この系において、混合LB膜を加熱処理、溶媒処理することにより、鋳型を作製した。この鋳型に色素を液相吸着することにより、色素からなる二次元パターンを作製することができた。このようにパターン化された色素はバルクの薄膜中とは電子状態が異なり、そのため光学特性が異なることがわかった。
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