2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境低負荷型新規グリーンサーファクタントの創成と機能創造
Project/Area Number |
18350079
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松村 秀一 Keio University, 理工学部, 教授 (30051874)
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Keywords | 低環境負荷物質 / バイオマス / サーファクタント / 生分解性 / カチオニクス / アニオニクス / 酵素 / ケミカルリサイクル |
Research Abstract |
本研究は、バイオベース原料を用い、環境低負荷型触媒により、高性能なグリーンサーファクタントを創成することを目的としている。本年度は以下の4項目について研究を行った。 1生分解性とケミカルリサイクル性を有する新規カチオン界面活性剤の創成 リンカー部分にカーボネート結合を導入し、生分解性とケミカルリサイクル性を有する新規ジェミニ型4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤を合成した。これらは、相当する単鎖型のものと比べて界面活性の顕著な向上とともに、抗菌活性およびすぐれた生分解性を有することが認められた。さらに、リパーゼを作用させることで循環型ケミカルリサイクルが可能であることを確認した。 2生分解性とケミカルリサイクル性を有する非イオン界面活性剤の酵素合成 一連のアルキル=ポリオキシエチレン=カーボネート型非イオン界面活性剤をリパーゼ触媒を用いることで合成し、界面活性、生分解性およびケミカルリサイクル性の評価を行った。 3グリーンプロセスによる環状疎水基を有する両親媒性物質の合成と機能評価 リシノール酸の酵素法による環化と、不飽和部分に親水基としてチオプロピオン酸の導入を行った。得られたラクトン環を有するアニオン界面活性剤は、可溶化可能が顕著に増大した。また臨界ミセル濃度近傍で球状ミセルを、それ以上の濃度で球状ベシクルを形成することを認めた。 4生分解性を有するポリカルボン酸塩型グリーン界面浩性剤 発酵生産可能な有機酸であるフマル酸、イタコン酸およびアコニット酸に長鎖メルカプタンや長鎖アルキルアミンを付加させることで、一連のポリアニオン型サーファクタントビルダーを合成した。 これらは、界面活性、カルシウムイオン封鎖能及び生分解性を有することを認めた。
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Research Products
(6 results)