2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子インプリント法を用いた有害微生物DNAの簡便な検出システムの開発
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18350080
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
箕浦 憲彦 東京工科大学, バイオニクス学部, 教授 (10358111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新保 外志夫 東京工科大学, 産業技術総合研究所・バイオニクス研究センター, 副センター長 (70357250)
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Keywords | 分子インプリンティング / 高分子ゲル / 電気泳動 / 核酸 / 塩基配列 / 分子認識 / 分子鋳型 / ペロ毒素 |
Research Abstract |
1.分子インプリンティングポリマーゲル材料の改良 分子インプリンティングポリマー(MIP)の分子認識能の向上のためには、機能性モノマーの探索が重要である。二本鎖DNAを認識するMIPゲル材料の調製には、A・T塩基対に対して水素結合する機能性モノマー、2-ビニル4,6-ジアミノ1,3,5-トリアジン(VDAT)をすでに見いだしているが、より結合能の高い機能性モノマーを、またG・C塩基対に対して結合能をもつ新たな機能性モノマーを探すため、VDAT類縁構造体(アミノ基部分をそれぞれ水酸基、カルボニル基、イソプロポキシル基に置換した化合物等)を検討した。A・T塩基対あるいはG・C塩基対のみからなる二本鎖DNAにこれらの化合物を混合し、融解温度を測定した結果、イソプロポキシル基をもつ化合物はA・T塩基対のみからなる二本鎖DNAの融解温度を上昇させなかったが、G・C塩基対のみからなる二本鎖DNAの融解温度をわずかに上昇させた。したがって、G・C塩基対を認識するための機能性モノマーとして利用し得ることが判明した。 2.MIPゲルを泳動媒体に用いたゲル電気泳動検出システムの検討 MIPゲルが充填されたキャピラリーチューブ(長さ4cm、内径1mm)の陽極側末端にDNA用蛍光染色剤の液溜めを設置し、泳動により溶出してきたDNAと蛍光染色剤とを反応させた後、この反応物を蛍光検出器に送り込む自動検出システムおよび検出方法を開発した。この装置を用いて、認識部位の捕捉効果による溶離時間から標的DNAを簡便・迅速に検出できることを確認した。 3.MIPゲルを泳動媒体に用いたゲル電気泳動検出システムによる検出条件の予備的検討 2.で設計、組み立てをした検出装置と検出方法を用い、検出条件の検討を行った。その結果、300bpから1000bpの範囲の二本鎖DNAを分析するには、蛍光染色剤(SYBR Green 1)濃度が2万倍希釈、蛍光染色剤の送液速度が約0.15ml/min、ゲルの構成成分であるアクリルアミドモノマーおよび架橋剤濃度が10%、通電電圧が200Vから250Vの範囲が最適であることがわかった。
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