2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18350081
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
貞許 礼子 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 特任助教授 (50372264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越田 周平 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 特任助手 (70372266)
幸田 敏明 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 教授 (20170186)
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Keywords | 乳酸菌 / バクテリア細胞壁 / N-アセチルグルコサミン / ワクチン / 癌 |
Research Abstract |
本年度は、H17-18科研費若手研究A(課題番号16685016)「バクテリア表層化学改変法を利用したドラッグデリバリーキャリアの開発」の成果をもとに、より効率的な化合物の表面提示を目指して、細胞壁前駆体誘導体としてN-アセチルグルコサミン(GlcNAc-1-phosphate)誘導体の利用を検討した。機能性官能基としてケトン基を導入したN-レブリノイル型の誘導体を用いた。乳酸菌(L.plantarum JCM1149)をMRS培地で3時間培養後、誘導体を培地に添加して15時間培養した。乳酸菌を遠心して回収しPBSで洗浄後、biotin-hydrazideおよびstreptavidin Alexa Fluor 488 conjugateを順次用いて表面に提示されたケトン基を蛍光ラベルした。PBSで洗浄後、フローサイトメーター(FACS)を用いて菌の蛍光強度を測定した。FACSにより取り込みを評価した結果、水酸基をアセチル基で保護して疎水性を上げた誘導体が適していることがわかった。またグルコース0mMの人工培地を用いた場合、MRS培地だけで培養したときより3倍の蛍光強度が観測された。以上から、これまでのムラミルペンタペプチド誘導体よりも構造のシンプルなN-アセチルグルコサミン誘導体を用いて、効率的にバクテリアの表面修飾が可能となった。この結果について、2007年2月の高分子学会北海道支部会、2007年3月の日本化学会において発表した。投稿論文準備中である。シンプルな化合物でバクテリア表層の化学改変が可能になったことは、来年度からの癌抗原による修飾効果のアッセイ実験へとつながる成果である。
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