2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18350081
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
貞許 礼子 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 特任准教授 (50372264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越田 周平 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 特任助教 (70372266)
幸田 敏明 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (20170186)
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Keywords | 細胞壁 / バクテリア / ペプチドグリカン / 乳酸菌 / 質量分析 |
Research Abstract |
昨年度の成果をもとに、乳酸菌の表面修飾の研究を進めた。細胞壁前駆体誘導体としてN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)誘導体を用い、機能性官能基としてケトン基を導入したN-レブリノイル型の誘導体を用いた。論文投稿し、審査意見に基づいた追加実験を終了し、投稿準備中である。一連の実験により、より効率的な化合物の表面提示の系が確立できた。適切な前駆体構造(水酸基をアセチル基で保護し1位にリン酸基を導入したもの)を持った細胞壁前駆体を用いることで、より効率的なバクテリア表層修飾が可能となった。菌株の種類については8種程度新たに検討し、さまざまな株に有効であることが判明した。菌株は、特に細胞壁のタイプの違うものを含めて選定した。前駆体の取り込み経路については、リン酸基のないコントロール化合物との比較により、細胞壁生合成経路を通っていることが強く示唆された。さらに、細胞壁への取り込みの直接的な証拠として、ペプチドグリカンをリゾチーム処理し、質量分析によりペプチドグリカン構成成分にとりこまれた細胞壁誘導体の検出を検討した。天然型のピークが大きくでることにより、質量分析による検出はやや困難であったが、特異的に人工誘導体成分を濃縮することにより、とりこまれた成分が検出できつつある。また、この実験により、新たにペプチドグリカン構造の分析法としてこれまでになく小スケールの培養でできる質量分析が開発できたので、これについても論文投稿準備中である。 このように、シンプルな化合物でバクテリア表層の化学改変が可能になり、応用可能性が広がったので来年度の研究に活かしてさらに研究を進めていく。
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Research Products
(6 results)