2007 Fiscal Year Annual Research Report
マラリアを含む感染性病原虫由来の酵素阻害剤の開発とその作用機構の解明
Project/Area Number |
18350086
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 豪 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20263204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 泰 福井工業大学, 環境生命未来工学科, 教授 (40029236)
松村 浩由 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30324809)
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Keywords | 熱帯熱マラリア / 感染症 / ドラッグデザイン / X線構造解析 |
Research Abstract |
本研究課題では、3つの感染性寄生原虫の生命維持活動に重要な酵素のX線結晶構造解析を行い、阻害剤候補化合物を探索するためのインシリコ創薬のための構造基盤を構築することを目的とし、(1)マラリア由来のピリミジン合成に関する必須の酵素2種、および、(2)シャーガス病およびリーシュマニア症由来のプロスタグランジン(PG)F合成酵素と阻害剤複合体のX線構造解析を行った。 熱帯熱マラリアPlasmodium falciparum(Pf)由来Orotate phosphoribosyltransferase(pyr5)およびOrotidine 5' -monophosphate decarboxylase (pyr6)について、大腸菌を利用した酵素の大量発現と大量精製を行い結晶化したところ、pyr6についてnativeおよび反応生成物UMP複合体の構造解析に成功し、それぞれ2.7および2.6Å分解能で解明して反応機構を検討した(J. Biochem.,2008)。また、シャーガス病とリーシュマニア症の原虫由来PGF合成酵素について結晶化を行ったところ、シャーガス病については1.7Å分解能までの回折データを収集し(Acta Cryst. F,2007)、フラビン結合型のPGF合成酵素を初めて高精度に解析した(in preparation)。リーシュマニア症病原虫由来PGF合成酵素については、インドメタシン結合型構造について詳細な構造機能相関について検討を加え知見を得ている。
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