2006 Fiscal Year Annual Research Report
人工高分子レセプターナノ粒子を用いたタンパク質のセンシング
Project/Area Number |
18350087
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹内 俊文 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (70179612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新森 英之 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (40311740)
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Keywords | タンパク質 / 分子認識 / 分子インプリンティング / 金属錯体 / 環境応答性蛍光色素 / リボヌクレアーゼA |
Research Abstract |
本研究の目的は、分子インプリンティング技術を用いて、タンパク質が結合すると、その結合情報を誘出し可能な信号に変換することができる「情報発信型人工高分子レセプター」を作製する。具体的には、標的タンパク質を選択的に認識するために、インプリントポリマー中の基質結合部位近傍に蛍光分子を配置させることにより、目的タンパク面の結合により蛍光スペクトル変化を引き起こす系の構築を目指した。本年皮では、重合性官能基、金属錯体、環境応答性色素の3者からなる機能性モノマーを合成し、基質の結合に対して蛍光応答するインプリントポリマーを合成した。 ダンシル基を環境応答性蛍光色素とし、重合性官能基を有するキレートをリガンドとして金属錯体の合成を行った。インプリンポリマーの調製は、モデル標的タンパク質としてリボヌクレアーゼAを用い、合成した金属錯体を機能性モノマーとし、メチレンビスアクリルアミドを架橋剤として行った。基質結合能の評価は、蛍光プレートリーダー、及びSPR測定裟置により行った。 色素修飾金属錯体とタンパク質との相互作用を検討したところ、リボヌクレアーゼAの添加に伴い短波長側の蛍光強度が上昇し、蛍光波長変化を伴う蛍光増大が観測された。これは、色素部位がタンパク質の疎水環境にとりこまれたことを反映しているものと考えられる。この情報に基づきリボヌクレアーゼAをインプリントしたポリマーアレイを合成したところ、他のタンパク質と比較してリボヌクレアーゼAを添加した場合の蛍光強度が最大となった。一方、機能性モノマーと相互作用しないタンパク質を鋳型とした場合には、このような鋳型効果は見られなかった。すなわち、本手法が基質特異的なタンパク質認識材料の合成法として有効なことが示された。
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Research Products
(2 results)