2006 Fiscal Year Annual Research Report
早期ガン診断を目指した電気化学的テロメラーゼアッセイ法の開発
Project/Area Number |
18350089
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹中 繁織 九州工業大学, 工学部, 教授 (60188208)
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Keywords | ナフタレンジイミド / フェロセン / テロメア4本酸DNA / テロメラーゼ / オリゴヌクレオチド / グアニン / 電気化学 / 高次構造 |
Research Abstract |
ヒト染色体末端に存在するテロメアDNAは4本鎖DNA構造を有する。申請者は最近フェロセン化ナフタレンジイミドが4本鎖DNAへ特異的に結合することを明らかにした。更に予備的ではあるが、FNDを利用することによりテロメア伸長酵素であるテロメラーゼの活性を電気化学的に調べることに成功した。テロメラーゼ検出は次世代のガンの早期診断法として期待されるので、本研究を発展させるとガンの早期診断システムを開発できると期待される。本研究の目標は、電気化学的テロメラーゼ診断法を確立し、ガンの早期診断チップを構築するためにFNDが四本鎖DNAへ結合するメカニズムを明らかにすることである。 1)テロメア4本鎖DNAとFM)との相互作用の解明:当該年度では以下の点を中心に検討を行った。(i)速度論解析。会合速度定数、乖離速度定数を測定し、二本鎖DNAの場合と比較することにより結合過程と乖離過程における動力学が推測できる。(ii)結合モードが知られている従来のテロメラーゼインヒビターとの追い出し実験。どの結合モードのリガンドと競合的に相互作用するかによって結合モードの推定を行った。 2)FNDのヒトテロメア4本鎖構造選択性の解明と繰り返し四本鎖高次構造体の解明:ヒトテロメア4本鎖DNA構造には、アンチパラレル型以外にパラレル型が存在することがごく最近明らかとなってきた。FNDはアンチパラレル型の構造に対しても応答電流を示したので結合している可能性が高い。これについて見当を行った。円二色性(CD)スペクトルを用いて構造形成状態でFNDを添加してスペクトル変化から結合様式を推測した。また、複合体の温度変化を調べることにより、どの構造に対して安定化能が高いかを調べた。これら結果は、テロメラーゼの電気化学アッセイ技術のみでなく、テロメラーゼ阻害能を有する抗ガン剤の開発にも有益な知見をあたえることができた。
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Research Products
(2 results)