2007 Fiscal Year Annual Research Report
早期ガン診断を目指した電気化学的テロメラーゼ法の開発
Project/Area Number |
18350089
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹中 繁織 Kyushu Institute of Technology, 工学部, 教授 (60188208)
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Keywords | テロメアDNA / 4本鎖構造 / 抗癌剤 / 電気化学 / フェロセン化ナフタレンジイミド / テロメラーゼ / G-カルテット / ペリレンジイミド |
Research Abstract |
ヒト染色体末端に存在するTTAGGGの繰り返し配列であるテロメアDNAは、特有の4本鎖構造を形成することが知られている。このような4本鎖DNAに結合してその構造を安定化させる人工リガンドの開発は、抗癌剤の観点から重要である。研究代表者は、電気化学的活性なフェロセン化ナフタレンジイミドがテロメアDNA4本鎖に結合してその構造を安定化させることを明らかにした。さらにこのリガンドを利用すれば電気化学的にテロメアDNAを検出できることを明らかにした。これは、テロメラーゼによって電極上で伸張されたテロメアDNAの電気化学的検出法へ応用可能であった。本研究では、本リガンドの4本鎖DNAへの結合様式に関する知見を得るために種々の検討を行った。その結果、本リガンドが4本鎖DNAを形成する三つのG-カルテット平面の間でなく末端にスタッキングすることにより結合しているものと考えられた。また、種々のフェロセン化ナフタレンジイミド誘導体を合成し、4本鎖DNAへの結合能を評価した。これによってフェロセンとナフタレンジイミドとの間の連結部の構造にその結合能が強く依存することが明らかとなった。これらの実験は、電気化学測定条件であるカリウムイオン共存下であったが、この条件ではヒトテロメア4本鎖DNAの構造が一義的に決まらないと考えられたので(研究代表者の研究とごく最近の論文でハイブリット型と考えられた。)、その構造が一義的に決まる(バスケット型)ナトリウムイオン共存下でのこれらリガンドと4本鎖DNAとの相互作用を調べた。その結果、カリウムイオンと同様の結合挙動が示された。よりテロメア4本鎖DNAへの結合能の強いリガンドの開発のためにナフタレンジイミドをペリレンジイミドとしたリガンドを新たに合成した。その蛍光挙動を加えた4本鎖DNAとの結合挙動を種々の手法により検討し、期待どおりに4本鎖DNAへの強い結合能が示された。
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Research Products
(11 results)