2007 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマディスプレイの理論設計を実現するマルチフィジックス量子分子動力学法の開発
Project/Area Number |
18350094
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保 百司 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (90241538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 明 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90344704)
古山 通久 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60372306)
坪井 秀行 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20375182)
篠田 傳 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 客員教授 (70422433)
梶山 博司 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 客員教授 (80422434)
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Keywords | プラズマディスプレイ / マルチフィジックス / 量子分子動力学法 / プラズマ場 / MgO保護膜 / 破壊現象ダイナミクス / 高耐久性 / 2次電子放出能 |
Research Abstract |
プラズマディスプレイは、高輝度、高精細の画質を大画面・薄型で実現するディスプレイとして、現在、熾烈な開発競争が続けられている。具体的に現在のプラズマディスプレイにおける最大の開発課題はその長寿命化にあり、その劣化原因はMgO保護膜のプラズマ状態下における構造破壊である。そこで本研究では、「プラズマ場での化学反応ダイナミクス」を解明可能なマルチフィジックス量子分子動力学法の開発、MgO保護膜の破壊現象ダイナミクスの理論的解明、高耐久性MgO保護膜の理論設計を目的とした。さらに、プラズマ場におけるMgO保護膜の2次電子放出能を評価可能なマルチフィジックス量子分子動力学シミュレータの開発、高耐久性・高2次電子放出能を有するMgO保護膜の作製プロセスの理論設計、理論的に設計したMgO保護膜の実験的検証をも本研究の目的とした。 本年度は、申請者らが昨年度開発したマルチフィジックスシミュレータを活用し、MgO保護膜へのXe照射による構造破壊ダイナミクスに対する表面吸着水の影響を検討した。その結果、MgO保護膜の構造破壊過程において、吸着水分子が解離反応を起こし、さらにイオン半径の小さい水素イオンがMgO保護膜内に侵入することを明らかにした。さらに、このMgO保護膜に侵入した水素イオンがMgO保護膜の再結晶化を阻害し、MgO保護膜の劣化を促進させることを明らかにした。また、MgO保護膜の2次電子放出能を評価可能な量子分子動力学シミュレータの開発に成功した。さらに、実験的にはMgO保護膜のイオン励起による2次電子放出と発光スペクトルを同時計測可能な実験装置を開発し、2次電子放出量と発光スペクトル強度が入射イオンエネルギーに対して同じ依存性を示すことを明らかにした。
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