2006 Fiscal Year Annual Research Report
近接場光開口端を有する光導波路の作製と略半球型ガラス光共振器との光接合
Project/Area Number |
18350096
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢野 哲司 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (90221647)
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Keywords | 微小開口端 / イオン交換 / 光導波路 / 原子問力顕微鏡 / 略半球型ガラス素子 |
Research Abstract |
イオン交換法を用いてガラスへ種々の1価イオンを導入することでの屈折率分布を付与することが可能である.この方法により,ガラス内部に光を閉じ込めて特定の方向への伝搬を可能にする埋め込み型光導波路を作製することができる.光は屈折率の高い方向へと進行していくが,この導波路から光信号を取り出すあるいは光導波路に光信号を導入する方法のひとつとして,微小な大きさの光開口端を導波路側面に形成し,その形状とサイズを最適なものとすることで光の出射の機構を制御することができる.光の波長は数百ナノメートルであるため,光開口端も同程度かそれ以下の極微小なサイズを持たせなければならない.本研究では,この微小な光開口端の形成手法として,原子間力顕微鏡の探針を電極としてガラス内部のイオンを電界によって動かし,ガラス内部の光伝搬路から引き出す微小電界印加イオン交換を実施することによって光開口端を作製した.電気伝導度などのガラス材料の電気物性をもとにガラス組成を設計/作製し,その板状試料に対して埋め込み型光導波路を作製した.この光導波構造に光開口端を作製するために,ガラス中の屈折率分布を決定する役割をもつ1価の陽イオンをプローブによって動かし,光導波路から伸びた高屈折領域をガラス表面に形成することに成功した.さらに,光伝搬実験を実施し,光が漏れ出る閉口端として機能することを確認した. 一方,略半球型微小ガラス素子の作製においては,素子の光性能を決定する要因の一つである屈折率の違うガラス素子を作製することを目的に,さまざまなガラス材料を用いて略半球形状の形状制御を実現できる熱処理条件について調査を行い,高屈折率ガラス材料を用いた略半球形状のガラス素子を作製することに成功した.
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