2006 Fiscal Year Annual Research Report
発光性ハイブリッド錯体を活用した波長変換用光機能資材の開発と応用
Project/Area Number |
18350100
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
吉田 勝平 高知大学, 理学部, 教授 (30036595)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米村 俊昭 高知大学, 理学部, 助教授 (90240382)
阿万 智治 高知大学, 理学部, 教授 (60036580)
渡瀬 星児 大阪市立工業研究所, 電子材料課, 研究主任 (60416336)
松川 公洋 大阪市立工業研究所, 電子材料課, 研究主幹 (90416321)
島崎 一彦 高知大学, 農学部, 助教授 (20196471)
|
Keywords | 蛍光色素 / 発光材料 / 光物性 / 波長変換 / 濃度消光 / 固体発光性 / リン光 / 金属錯体 |
Research Abstract |
本研究は、固体状態で強い発光性を示す蛍光色素や発光性ハイブリッド錯体を創出し、それらの光吸収-発光機能を活用した"光-光変換資材"の開発を目指している。以下に、本年度の研究成果と進捗状況を簡単にとりまとめた。 1.固体発光性蛍光色素の分子設計・合成・物性評価 (1)新規な複素多環系蛍光色素母体を分子設計し、結晶構造と固体発光性の相関性を基礎的に追究した。固体発光性の向上に及ぼす蛍光母体の非平面化や蛍光母体中枢への非共役的置換基の導入効果に関する新しい有用な多くの知見を得た。 (2)新規な固体発光性分子錯塩の創出に向けて、カチオン性蛍光色素とアニオン性蛍光色素の合成を行った。次年度は、これらを組み合わせた蛍光色素分子錯塩について、固体発光性を評価する。 2.発光性金属錯体色素の設計・合成・評価 (1)アントラキノン系蛍光色素を配位子として、数種の金属イオン(Zn^<2+>,Al^<3+>,Mg^<2+>,Eu^<3+>)との錯形成を検討した。配位子によっては、単核錯体に加えて、多核錯体が生成していることをモル比法により確認した。配位子との組み合わせにより、Al^<3+>では溶液、Zn^<2+>,Mg^<2+>,Eu^<3+>では溶液・固体のいずれでも、発光性を示す生成物が得られた。 (2)イミダゾフェナントロリン系蛍光色素を配位子として、数種の金属錯体を合成し発光特性を調べた。Fe(II),Co(II),Ni(II)錯体の希薄溶液は280nm付近の励起光を用いると、弱い二波長発光を示すが、固体状態の発光性は弱い。Zn(II)錯体は、希薄溶液でも固体状態でもかなり強い発光性を示した。 3.波長変換資材の試作と評価 蛍光色素については、マスターバッチ法により各種高分子樹脂に溶融混練し、フィルム厚と色素濃度の均一な蛍光フィルムを種々試作することができた。現在、波長変換機能の評価を順次進めている。また、発光性金属錯体の溶融混練法についても検討を行っている。
|
Research Products
(5 results)