2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18350101
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
内田 欣吾 Ryukoku University, 理工学部, 教授 (70213436)
|
Keywords | フォトクロミズム / ジアリールエテン / フィブリル / 超撥水 / 光応答 |
Research Abstract |
ジアリールエテンの結晶および薄膜表面に紫外光を照射することにより、表面が無数のフィブリルに覆われる現象を研究してきた。置換基を換えた誘導体を合成し、そのコーティング膜表面の紫外・可視光に対する変化の様子を温度・光照射時間を変えて観察した。紫外光を照射時間が長いと、より長いフィブリルが成長し、照射時間が短いとフィブリルの長さも短くなることが観測された。これは、紫外光照射により膜表面に生成する閉環体の量に依存するためと考えられる。 また、紫外光照射後の保持温度が高くなると、それまでの細いフィブリルの中に太いフィブリルが混在するようになり、さらに温度を上昇させると太いフィブリルだけになることが確認された。これは、低温では結晶核発生の数が多いのに対し、温度が上昇すると結晶核の発生頻度が下がると共に、結晶の成長速度が増すことで説明できる。 さらにジアリールエテン誘導体を変えて結晶の形状を観測すると、表面形状は、そのジアリールエテンの開環体と閉環体の結晶格子の形状と相関があることがわかった。すなわち、開環体、閉環体であれ結晶格子がx,y,z軸の長さがほぼ等しければ結晶は立方晶として成長し、光を照射した面は粒粒の結晶が覆う面となるが、x,y,z軸のどれか一つの長さが他の二辺より極端に短いと、その方向に結晶は選択的に成長した針状晶となり、表面は数多くのフィブリルで覆われることが判明した。
|
-
[Journal Article] Photoresponsive Rolling and Bending of Thin Crystals of Chiral Diarylethenes2008
Author(s)
K.Uchida, S.Sukata, Y.Matsuzawa, M.Akazawa, J.J.D.de Jong, N.Katsonis, Y.Kojima, S.Nakamura, J.Areephong, A.Meetsma, B.L.Feringa
-
Journal Title
Chem.Commun. 2008
Pages: 326-328
Peer Reviewed
-
-
-
[Journal Article] Quantum Yields and Potential Energy Surfaces:A Theoretical Study2007
Author(s)
S.Nakamura, T.Kobayashi, A.Takata, K.Uchida, Y.Asano, A.Murakami, A.Goldberg, D.Guillaumont, S.Yokojima, S.Kobatake, M.Irie
-
Journal Title
J.Phys.Org.Chem. 20
Pages: 821-829
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-