2006 Fiscal Year Annual Research Report
外場制御透明ペロブスカイトナノ粒子/ポリマーハイブリッドの合成と評価
Project/Area Number |
18350105
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
余語 利信 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (00135310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 渉 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教授 (50273264)
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Keywords | ペロブスカイト / ナノ粒子 / 加水分解 / チタン酸バリウム |
Research Abstract |
ペロブスカイト化合物としてチタン酸バリウムを選択し、合成の出発原料として、複合金属-有機化合物前駆体を分子設計し、合成した。不飽和配位子を結合させたチタン酸バリウム前駆体を合成し、赤外、NMRスペクトルにより解析を行い、所望の前駆体が合成できていることを確認した。この前駆体の金属-有機結合を制御された条件で加水分解し、ナノ粒子を含む生成物を得た。この生成物を粉末X線回折計で分析したところ、加水分解条件に応じた結晶性ナノ粒子が生成していることが明らかとなった。結晶相はチタン酸バリウムであった。透過型電子顕微鏡観察により、10nm程度の結晶性粒子が生成していることを確認した。 前駆体にメチルメタクリレートを添加し、加水分解を行い、封管重合を行った。重合条件を検討することにより、チタン酸バリウムナノ粒子を含有するポリマーを得ることができた。メチルメタクリレートの重合は、赤外吸収スペクトルにより、2重結合が消失していることで確認した。このチタン酸バリウム粒子の結晶性は、メチルメタクリレートが共存しない場合と同程度であった。 生成物をガラス基板上にスピンコートすることにより、透明な薄膜を合成することができた。薄膜の吸収端を紫外・可視スペクトロメータにより測定したところ、チタン酸バリウムの粒径が減少するにつれて、吸収端は短波長側にシフトすることが明らかとなり、量子サイズ効果を確認した。薄膜の屈折率を測定したところ、チタン酸バリウム粒子の結晶性が向上すると屈折率も増加した。 以上のように、分子設計した前駆体を用いて、透明なチタン酸バリウムナノ粒子/ポリマーハイブリツドを100℃以下の低温で合成することができた。
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Research Products
(2 results)