2006 Fiscal Year Annual Research Report
センサーへの応用を目指すルゲート型多孔質シリコン多層構造の形成
Project/Area Number |
18350107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尾形 幸生 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (30152375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作花 哲夫 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (10196206)
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Keywords | 多孔質シリコン / 半導体多層膜 / 光学センサー / 陽極酸化 |
Research Abstract |
センサーへの応用に適したルゲート型多孔質シリコン多層構造の作製に取り組んだ。 1.多層ルゲート構造の作製と光学物性の測定 低比抵抗のp型シリコンを、フッ酸水溶液中で正弦波的に電流を変調して陽極溶解し、多孔度を変調した多孔質シリコン多層膜を得た。この多層膜は、反射スペクトル中に共鳴ピークを示し、ピーク位置は変調周期と屈折率によって変化した。この多層膜をアルコール蒸気中にさらすと、孔内への毛管凝縮が起こり、多層膜の屈折率が変化することによって、共鳴ピーク位置が長波長側にシフトした。このシフトにより、アルコール濃度を光学的に検知できることを示した。検知の繰り返しによってシリコン表面が酸化し、ピークが短波長側にシフトした。この経時変化を避けるために、予め多層膜を陽極酸化すると、表面が安定化して安定な検知性能が得られることを示した。 ルゲート型多層膜作成時に電流を変調するが、各電流において陽極溶解速度が異なるために、生成する多層膜の多孔度、すなわち屈折率が正弦波的に変化しない。正弦関数的な変化からの偏倚が反射スペクトルに及ぼす影響を検討した。多少の偏倚は大きな影響を与えないが、偏倚が大きくなるとピークシフトが起こり、反射強度が低下するといっ結果を得た。 2.中間孔径を持つ多孔質シリコンの作製 バイオ関連物質の検知にも適した50-300nmの孔径をもつ多孔質シリコン作製の前能性を検討した。低比抵抗のn型シゼコンを酸化剤と界面活性剤を含むフッ酸水溶液中で陽極溶解した。これまでに報告されている有毒なクロム酸に替えて、過マンガン酸カリウムを酸化剤として用いても50-150nmの中間孔径が実現することを見いだした。また、中間孔径の作製にはフッ酸濃度が重要な因子であり、3wt%程度が最適濃度であった。さらに、同様の操作が、低比抵抗p型シリコンにも適用できることを示した。
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Research Products
(3 results)