2008 Fiscal Year Annual Research Report
センサーへの応用を目指すルゲート型多孔質シリコン多層構造の形成
Project/Area Number |
18350107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尾形 幸生 Kyoto University, エネルギー理工学研究所, 教授 (30152375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作花 哲夫 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (10196206)
深見 一弘 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (60452322)
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Keywords | 多孔質シリコン / 半導体多層膜 / 光学センサー / 陽極酸化 |
Research Abstract |
ルゲート型多孔質シリコンの光学センサーとしての応用範囲の拡大と、センサーの検出感度や応答時間を決める細孔内での物質捕捉挙動の理解に取り組んだ。 1. マクロ孔から成るルゲート型構造の作製と異なる細孔径をもつルゲート型構造の比較 バイオ関連物質の検知にはメソ孔で得られる25nm以上の孔径が要求される場合がある。マクロ孔に分類される100nm程度の孔径(中間孔径)をもつ多孔質シリコンのルゲート型構造光学フィルターを作製した。安定な中間孔径が形成する電流密度範囲が狭いため、自由に多孔質構造設計することが困難であるものの、反射スペクトル中に明確な反射ピークが現れ、十分に物質検知に使える可能性を示した。 こうして、ミクロ孔、メソ孔、マクロ孔から成るルゲート型光学フィルターの作製が実現した。検出対象によって多孔構造の孔径を選ぶことができる。メソ孔をもつ構造体は安定であり、作製も容易である。一方、ミクロ孔とマクロ孔によるルゲート型フィルターにおいて、前者は感度が高く応答が速い、後者はバイオ関連で有用などの特徴をもつが、共に正確で安定な多孔度変調構造作製上の課題が残り、さらに検討が必要である。 2. 細孔内への化学物質捕捉挙動 本構造を用いる物質検知は、孔内への物質吸着や凝縮による多孔体の屈折率変化に基づく。多孔質シリコンの微細孔構造中でのアルコール蒸気の毛管凝縮機構を検討した。二層のルゲート構造からなる積層膜を用いて、アルコール蒸気環境下に置いたときの上下各層の共鳴反射ピークのシフトから、多層膜への蒸気の浸透と凝縮過程のダイナミクスを捉えることに成功し、蒸気の孔内への浸透速度が非常に速いことと、ならびに孔内全面で凝縮が進行することを明らかにした。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation]2008
Author(s)
M. S. M. Salem, M. J. Sailor, 深見一弘, 作花哲夫, 尾形幸生
Organizer
表面技術協会第118回講演大会
Place of Presentation
近畿大学, 東大阪市
Year and Date
2008-09-01
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