2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオン・電子移動ナノ経路構造制御による高速インターカレーション電極の開発
Project/Area Number |
18350109
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森口 勇 長崎大学, 工学部, 教授 (40210158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 博俊 長崎大学, 工学部, 助手 (10359961)
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Keywords | カーボン / ナノ多孔体 / 電気二重層 / キャパシタ / V_2O_5 / Li二次電池 / インターカレーション |
Research Abstract |
燃料電池を駆動電源とする電気自動車の普及が強く望まれているが,自動車は走行負荷変動がきわめて大きいため,一般に瞬発力が比較的小さい燃料電池のみでは不十分であり,高出力・高エネルギー密度の補助電源が必要とされる。本研究では,比較的エネルギー密度の高いインターカレーション系二次電池に超高速充放電特性を付与して高出力特性を引き出し,かつ充放電の可逆性に優れた電極材料の創製を目指すものである。本年度は,高速イオン移動が可能な細孔構造を有するナノ多孔カーボンを合成し,さらにそのカーボン表面をV_2O_5でナノコーティングした複合材料の合成を行った。主な成果を以下に示す。 1.ナノ多孔カーボンの合成と電気二重層キャパシタ特性 シリカコロイド粒子から形成されるオパール結晶の間隙にフェノール樹脂を充填し,カーボン化,シリカ除去(コロイド結晶テンプレート法)により,規則的な細孔構造を有するナノ多孔カーボンを得た。得られた試料について電気化学測定を行ない,ナノ多孔化による電気二重層容量が大幅に増大し,その特性は高速充放電時も維持されることを確認した。すなわち,本ナノ多孔化が高速イオン移動に有効であることがわかった。 2.カーボン多孔体/V_2O_5ナノ複合体の作製とLiインターカレーション特性 1で得たナノ多孔カーボンをV_2O_5ゾル溶液と混合し,乾燥,熱処理することにより,ナノ複合体を作製した。低濃度のV_2O_5ゾル溶液で多段階に混合処理をした場合は,V_2O_5がナノ多孔カーボン表面に高分散担持され,高速でのLiインターカレーションが可能であることを見出した。高濃度溶液では,細孔を閉塞し,むしろ高い充放電レートでのLiインターカレーション容量は低下した。
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