2007 Fiscal Year Annual Research Report
イオン・電子移動ナノ経路構造制御による高速インターカレーション電極の開発
Project/Area Number |
18350109
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森口 勇 Nagasaki University, 工学部, 教授 (40210158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 博俊 長崎大学, 工学部, 准教授 (10359961)
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Keywords | コロイド結晶 / ナノ多孔体 / グラファイト / Liイオン二次電池 / 高速充放電 / 酸化バナジウム / オリビン / リチウムリン酸鉄 |
Research Abstract |
本研究では、エネルギー密度に優れるLiイオン二次電池材料に超高速充放電特性を付与して高出力特性を引き出し、かつ充放電の可逆性に優れた高性能電極材料の創製を目指すものである。本年度は、前年度に合成法を確立し、また高速イオン移動が可能であることを明らかにしたナノ多孔カーボンの細孔壁のグラファイト化を行い、Liイオン二次電池負極としての特性評価を行った。さらに、V_2O_5とナノ多孔カーボンの複合構造制御およびLiFePO_4多孔体の合成を行い、Liイオン二次電池正極材料としての特性評価を行った。主な成果を以下に示す。 1.コロイド結晶テンプレート法により得た規則的な細孔構造を有するナノ多孔カーボンを、さらに高温(1500〜2500℃)で熱処理することにより、カーボン細孔壁中にグラファイト層が生成・成長した多孔体が得られることを明らかにした。小さい細孔サイズおよび低いグラファイト化率の多孔体では、Li挿入・脱離のヒステリシスが大きいことがわかった。 2.ナノ多孔カーボンに大量にV_2O_5ゾルを担持すると、細孔を閉塞し、高い充放電レートでのLiインターカレーション容量は低下する問題があった。そこで、複合体を溶媒あるいはH_2O_2水溶液で洗浄して余分なV_2O_5ゾルを除去することにより、高出力特性を引き出せることを明らかにした。 3.ポリスチレンオパールを鋳型にして、隙間に無機原料溶液を充填し、焼成することによりオリビン型LiFePO_4ナノ多孔体を、さらに原料溶液にスクロースを添加することで、LiFePO_4/カーボン複合ナノ多孔体を合成することに成功した。特に後者は、優れた高速充放電特性を有することも明らかにした。
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