2006 Fiscal Year Annual Research Report
精密に設計された構造単位からの規則的シリカ系ナノ構造体の創製
Project/Area Number |
18350110
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
黒田 一幸 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90130872)
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Keywords | 無機合成 / ハイブリッド材料 / ナノ構造体 |
Research Abstract |
本年度は、以下の二つのアプローチにより規則的シリカ系ナノ構造体の創製を行った。 1)かご型8量体ユニットを有する単独分子の自己組織化によるメソ構造体の直接合成、2)かご型ケイ酸オリゴマーのシリル化による新規オリゴマーの設計。 1)では、かご型オリゴマー(H8Si8O12)とアルケンのヒドロシリル化反応と、残りのSiH基のアルコキシ化により、長鎖アルキル基を有するかご型ケイ酸八量体アルコキシドを設計した。これを出発分子として用い、THF溶媒中,酸性条件下でアルコキシ基の加水分解を進めた後、溶媒を揮発させることによって厚膜状のゲルを得た。X線回折およびTEMにより、反応過程での自己組織化により二次元ヘキサゴナル構造のハイブリッドが形成されたことが確認された。 また、焼成による有機除去によってシリカ多孔体が得られた。アルキル鎖の炭素数を変化させることによって、細孔径の制御が可能であった。 一方、2)では、ケイ酸8量体をはじめとする、有機第四アンモニウム存在下で生成するかご型オリゴマーの頂点のSi–O–or Si–OH)基をモノ-,ジ-,トリ-アルコキシクロロシランでシリル化し、アルコキシドへの誘導体化を行った。得られたオリゴマー単独での加水分解縮重合反応によりキセロゲルを合成した結果、官能基の数によって生成物の形態、構造が変化することがわかった。 また、かご型シロキサンユニットは少なくとも部分的には生成物中に保持されていることも確認された。さらに、界面活性剤を鋳型として用いることによって、二次元ヘキサゴナル構造の薄膜の合成にも成功した。
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Research Products
(1 results)