2007 Fiscal Year Annual Research Report
精密に設計された構造単位からの規則的シリカ系ナノ構造体の創製
Project/Area Number |
18350110
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
黒田 一幸 Waseda University, 理工学術院, 教授 (90130872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下嶋 敦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (90424803)
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Keywords | 無機合成 / ハイブリッド材料 / ナノ構造体 |
Research Abstract |
無機種と有機種のナノレベルでの組織化は、新材料を創出するための重要な手法である。我々は界面活性剤や両親媒性シロキサンオリゴマーの自己集合による、ハイブリッドナノ構造体の合成を報告してきた。本研究課題では精密に設計された構造単位を出発分子とし、構造を分子レベルで制御したシリカ系ナノ構造体を合成した。 シロキサンオリゴマーを用いたナノ構造体を、マクロな鋳型を用いて階層構造体へと展開した。マクロな鋳型として、ポリスチレン粒子が規則的に配列したオパール膜を用いた。オパール膜の制限空間内部では、シロキサンオリゴマーのナノ構造がポリスチレン粒子表面に配向し、高規則性の階層構造体を形成した。 一軸配向性メソポーラス有機-シリカ薄膜を合成した。我々はラビング処理基板を用いた独自の方法で、一軸配向性メソポーラスシリカ薄膜を報告している。フェニレン基を有するアルコキシランを用い、細孔壁への有機基の均一な導入を達成した。この薄膜は透明性が高く、フェニレン基による吸収、発光を示すことから、異方性光学材料としての応用が期待される。 また、鋳型分子の設計により、メソポーラスシリカの細孔内環境の定量的な制御を行った。トリブロックコポリマーP123を鋳型とし、メソポーラスシリカが合成できる。P123の親水部末端に、シリカと重合可能なトリエトキシシリル基を修飾した。これを未修飾のP123と混合してメソポーラスシリカを合成した。溶媒抽出により、修飾したP123の割合に比例した鋳型分子を細孔内に残すことができた。細孔内をP123の疎水部で均一に修飾することで、親疎水性の制御に利用できると考えられる。 出発分子の精密な設計により、分子レベルの構造からマクロな配向までが制御されたナノ構造体を合成した。今後もこの概念を展開することで、さらなる高次構造の設計を目指す。
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Research Products
(7 results)