2006 Fiscal Year Annual Research Report
高分子の弱い相互作用の環境摂動機構の解明と分子設計への応用
Project/Area Number |
18350112
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
笹沼 裕二 千葉大学, 工学部, 助教授 (30205877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿久津 文彦 千葉大学, 工学部, 教授 (90009275)
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Keywords | 弱い相互作用 / ポリエーテル / ポリスルフィド / ポリイミン / ポリセレノエーテル / 分子設計 / 国際情報交換 / イギリス |
Research Abstract |
1.光散乱によるポリエチレンイミン溶液のΘ条件の決定と非摂動状態での特性比の評価の方法を検討した。本年度は導入した装置の立ち上げを行い、試料調製法・分子量分別法を確立した。 2.無水・含水ポリエチレンイミンの結晶構造について、分子軌道法計算で構造最適化、熱力学諸量の評価を行うために、本年度は初期構造の設定法、基底関数の選択について検討し、実際に結晶構造の最適化を試みた。 3.3種のポリセレノエーテル、ポリメチレンセレニド、ポリエチレンセレニド、ポリトリメチレンセレニドのコンホメーション解析を行った。それぞれのモデル化合物を合成し、NMR実験でC-Se、C-C結合の配座分率を決定し、分子軌道法(MO)計算で求めた配座分率との整合性を確認した。MO計算結果を精査し、ポリメチレンセレニドは、不対電子→反結合性軌道非局在化により高いゴーシュ選好性を示し、ポリエチレンセレニドでは双極子相互作用によりg+tg-が、ポリトリメチレンセレニドではggggが最安定配座で、対応するポリスルフィドの配座選好性と共通することを示した。解析結果からコンホメーション特性と結晶構造・熱的性質との関係を議論した。 4.異種のヘテロ元素を構造単位に含む高分子として、エチレンイミン-エチレンオキシド、エチレンイミン-エチレンスルフィド、エチレンオキシド-エチレンスルフィド交互共重合体の特性解析を行い、形成される特異的な分子内相互作用を調べた。それぞれでN-H…0、N-H…S、C-H…Oの引力的相互作用が働き、これら分子内引力がコンホメーション、コンフィギュレーション、二次構造に及ぼす影響を統計力学計算で調べ、結晶構造を分子軌道法計算で推定した。遺伝子搬送用高分子、高分子電解質としての利用について分子設計の観点から考察した。
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Research Products
(3 results)