2006 Fiscal Year Annual Research Report
繊維・フィルム材料の溶融成形における高次構造形成挙動に及ぼす流動履歴効果の解明
Project/Area Number |
18350113
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鞠谷 雄士 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (70153046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 正俊 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (10196363)
伊藤 浩志 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (20259807)
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Keywords | 超急冷紡糸 / ドローレゾナンス / 複屈折 / 配向結晶化 / 一軸延伸 / 逐次二軸延伸 / 応力光学則 |
Research Abstract |
本研究の目的は,熱可塑性の結晶性高分子材料を対象として,溶融状態の高分子材料内の『構造』を制御することが,結晶化などを駆動力とする自己組織化プロセスの制御につながるとの観点から,両者の因果関係を系統的に明らかにすることである.具体的には以下の研究を行った. 1.ポリエチレンテレフタレート複合紡糸および超急冷紡糸による構造形成と繊維構造評価 極微小Air gap水冷紡糸によりPoly(ethylene terephthalate)(PET)繊維およびPET/PS芯鞘型複合繊維を作製し,溶融体に高温で高ひずみ速度の伸長変形が加わる本プロセスにより得られる繊維について,その構造,物性,延伸特性に関する解析を行った.繊維の直径が周期的に変動する現象が発現するドローレゾナンスのメカニズムを明らかにするとともに,水中での急冷過程が水冷繊維の高次構造形成に大きく影響を及ぼすことが見出された. 2.フィルムの一軸および逐次二軸伸長変形による複屈折・応力同時測定 非晶性ポリオレフィンフィルムを用いて,一軸延伸を行ない,様々な延伸温度およびひずみ速度下で応力と複屈折発現を計測した.応力光学則の適用について議論するとともに,固体状態から溶融状態までの延伸挙動を把握した.さらに,一軸延伸されたフィルムを延伸方向と垂直方向に一軸延伸(逐次二軸延伸)を行い,初期フィルムの緩和過程および延伸過程の応力・複屈折変化を詳細に計測し,延伸されたフィルムの後延伸過程での高次構造変化に関する新たな知見を得た.
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