2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲル化駆動セグメントの合成とそれを利用したポリマー型ゲル化剤の開発、及び機能評価
Project/Area Number |
18350115
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
英 謙二 Shinshu University, 大学院・総合工学系研究科, 教授 (60126696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正浩 信州大学, 大学院・総合工学系研究科, 准教授 (30334915)
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Keywords | ゲル / ゲル化剤 / 物理ゲル / ポリマー / 水素結合 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、これまで開発してきたゲル化剤の中でも特に強いゲル化能を示すゲル化剤の構造をもとに、官能基としてイソシアナート基を有する新規なゲル化駆動セグメントを合成した。申請者はこれまでの研究では、非晶性のポリマーあるいはオリゴマーとして市販のポリシロキサンを利用した。しかし、原料のSi-Hを有するポリシロキサンは工業中間体ではあるけれども比較的高価であるという欠点があった。そこで平成20年度は平成19年度に引き続き、非晶性のポリマーあるいはオリゴマーとしてポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールを利用した。これらのポリマーやオリゴマーはポリウレタン原料であり、従来のSi-Hを有するポリシロキサンと比べると遥かに安価である。ゲル化駆動セグメントとしてイソシアナート基を有するゲル化剤を新規に合成し、上記のポリジオールにゲル化駆動セグメントをウレタン結合を介して付加させることによりポリマー型ゲル化剤を合成した。ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールには平均分子量の異なる多数のタイプがあるのでそれらを利用し、多数のポリマー型ゲル化剤を合成した。その結果、汎用溶媒に対し良好なゲル化能を確認した。ポリマー型ゲル化剤であるので形成されたゲルが結晶化して崩壊することはなく、半永久的に安定なゲルを形成した。インクジェット用インクや化粧品用のゲル化剤として有用であることが企業によって実証された。
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