2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18350121
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
陸川 政弘 上智大学, 理工学部, 教授 (10245798)
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Keywords | 高分子電解質 / 共重合 / 相分離 / プロトン / 伝導性 / フラーレン / 燃料電池 / 階層化 |
Research Abstract |
(1)ポリフェニレン共重合体の精密重合 側鎖長(フェノキシユニット)の異なるポリフェニレン誘導体、ポリ(フェノキシベゾイルp-フェニレン)-PEEK共重合体、ならびにポリ(フェノキシベゾイルp-フェニレン)-PES共重合体を合成し、さらにスルホン化による電解質化を行った。得られた高分子電解質膜の含水性、機械的強度、プロトン伝導性、燃料電池特性等を評価した。結果、疎水ユニットの導入により、高分子電解質の含水率は下するが、プロトン伝導性はある程度維持され、有効なプロトン伝導パスの形成が示唆された。また、疎水性ユニットと親水性ユニットの組成を制御することにより、強度と柔軟性を兼ね備えた高分子電解質膜が得られ、伸び率はホモポリマーと比較すると5倍以上の値を示した。共重合化による分子量低下が懸念されたが、上述のように共重合化により機械的強度の向上が得られ、ホモポリマーの1/2程度の分子量で同等の機械的強度を有する膜が得られた。 (2)ポリフェニレン共重合体による高次構造制御 上述のポリフェニレン共重合体は、剛直な主鎖骨格と柔軟な側鎖骨格の存在により、液晶性を示した。本年度は熱処理によって、相分離構造を明確化し、そのサイズを変化させることを試みた。相分離構造の明確化が可能ではあったが、ドメインの配向性を制御するには至らなかった。さらに、キャスト方法等によって、親水性ドメイン(イオンチャンネル)を膜厚方向に配列させることを試みた。 (3)固体酸化合物によるイオンチャンネルの制御 固体酸としてスルホン化フラーレンのドーピングを行った。現在のところ、測定が困難なため親水・疎水性ドメインの選択的ドーピングが可能であるか明らかにできていない。しかし、本研究で合成した高分子電解質は、一般的なナフィオン膜と比較すると高濃度でスルホン化フラーレンのドーピングが可能であった。
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Research Products
(3 results)