2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18350121
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
陸川 政弘 Sophia University, 理工学部, 教授 (10245798)
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Keywords | 高分子電解質 / 共重合 / 相分離 / プロトン / 伝導性 / AFM / 燃料電池 / 階層化 |
Research Abstract |
・高次構造制御とPEFC発電特性の相関関係の解析 スルホン化したポリフェニレンを親水部、ポリフェニレン、ポリアリールエーテル、ポリァリールスルホンを疎水部とする各ブロック共重合体を合成した。得られたブロック共重合体の含水率はホモポリマーと比較すると低いながら、高いプロトン伝導性を維持することが明らかになった。また、機械的特性においても、強度、破断伸度がともに増加する傾向にあることが判明した。以上のことから、親水・疎水によるミクロ相分離構造が形成されることで、プロトン伝導性に有効なイオンチャンネルが得られ、かつ、疎水部の分子間相互作用の増大が機械的強度の向上を導いたと考えられる。このことは、AFM、さらには電流モードのAFM観察によるドメイン構造の可視化と電流イメージングからも明らかになった。ブロック共重合体の各成分の鎖長と組成を変化させると、得られた相分離構造が変化し、ラメラ状からシリンドリカル構造のものが得られた。 これらの電解質膜を用いた燃料電池の作製と発電特性の評価を行った。フッ素系電解質であるナフィオン膜と同等の発電特性を示し、かつ高温低加湿運転においても高い出力が観察された。このことからもミクロ相分離構造による電解質膜の超階層化が、有効なプロトン伝導パスを形成を導き、より少ない水分量で効率の良いプロトン輸送を実現したことを示唆した。さらに、形状安定性、耐久性等の試験からも超階層構造が、電解質膜の機械的安定性や化学的安定性に寄与していることが明らかになった。
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