2007 Fiscal Year Annual Research Report
窒化ガリウムナノ細線を用いた化学センサとその集積化センサチップへの展開
Project/Area Number |
18360002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷川 英機 Hokkaido University, 名誉教授 (60001781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 正道 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 准教授 (30212400)
池辺 将之 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20374613)
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Keywords | 水素センサ / 溶液センサ / 窒化物半導体 / ショットキダイオード / センサネットワーク / 集積回路 / 2分決定論理 / ナノ細線 |
Research Abstract |
本研究では、高感度・高機能・超微細の化学センサを、独自の表面制御により、AlGaN/GaNナノ細線上に実現し、ヘキサゴナル2分決定グラフ(BDD)回路方式と組み合わせて、オンチップ集積により、超低消費電力集積化センサチップを実現する基礎研究を行う。本年度は次の(1)-(4)の成果を得るとともに、予想していなかった重要なポイント(2),(3)を発見し、その解明のため、研究期間をさらに6ヶ月繰り越し延長することとした。 (1)酸素ゲッタリングを施したAlGaN/GaNウェハ上に、Pdショットキ電極をもつ水素ガスセンサのセンシング機構として、原子状水素によるショットキ界面ダイポールの形成によるショットキ障壁の現象を昨年度提案したが、詳細な検討で、I-V特性から求められる障壁高変化と、C-V特性から求められる障壁高変化が一致しないことを見出した。そして、この理論上の矛盾点を、独自のTSB(thin surface barrier)モデルで説明することに成功した。 (2)実用的には、高温下での水素検知が実用上極めて重要となる。この点に関して、通常材料では、高温で、ショットキ障壁のリーク電流の増加により、検知特性が悪化するのに対し、本Pd/AlGaN/GaN水素ガスセンサでは、逆に検知特性が向上するという有望な結果を得た。この機構の解明と性能最適化には、さらなる検討が必要である。 (3)水素センサにおいてバイアス条件により、動作理論からは説明できない非常に遅い過渡応答不安定性を見出した。これは、水素センサのみならず、AlGaN/GaN溶液センサの信頼性にかかわる重要なものである。これは窒化ガリウム電子デバイスの「電流コラプス」に関連している可能性が示され、さらに詳細な検討が必須である。 (4)ナノ細線センサヘッドをブリッジ方式で、AlGaN/GaNヘテロ接合トランジスタBDD回路へ接続したアナログ・ディジタル混在型センサ情報処理回路について、その実現可能性を確認した。
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Research Products
(21 results)