2006 Fiscal Year Annual Research Report
安熱合成法によるGaNバルク単結晶作製における成長モードの解明とその制御
Project/Area Number |
18360004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
EHRENTRAUT DIRK 東北大学, 多元物質科学研究所, 寄附研究部門教員 (50396537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 承生 東北大学, 多元物質科学研究所, 客員教授 (30199236)
吉川 彰 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (50292264)
荻野 拓 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (70359545)
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Keywords | 結晶成長 / 結晶工学 / 環境材料 / 省エネルギー / 高性能レーザー / 窒化物半導体 |
Research Abstract |
安熱合成法によるGaN作製を行った。鉱化剤にNH_4Clを使用し、500℃,100MPaの育成条件で、HVPE法作製種結晶上に10日で厚さ210μmのGaN作製に成功した。また、20日間の長期間育成で435μmの結晶作製に成功し、長期間育成においても結晶作製速度が保たれることを明らかにした。 また、不純物として混入される酸素を除去するため、鉱化剤として使用する塩化アンモニウムを150℃で2時間加熱脱水処理し、グローブボックス内で原料のチャージを行った。その結果、発光特性が種結晶であるHVPE法作製GaNに非常に近い、無色透明な結晶作製に成功した。また、不純物を除去することにより、GaN結晶の品質も大幅に改善された。 鉱化剤として塩化アンモニウムのみならず、NH_4BrやNH_4Iおよびこれらの混合物についても検討を行った。安熱合成法による結晶作製においては、原料の溶解量および結晶析出量はCl<Br<Iとなり、鉱化剤にNH_4BrやNH_4Iを使用したときに、GaNは活発に反応していることが分かった。この結果、育成速度の高速化や育成温度の低温化が期待できる。しかしながら、NH_4BrやNH_4Iを使用した際に、壁面に自発核発生した針状GaN結晶中にcubic相が混入し、特に低温では顕著に現れる。高品質GaNを作製するためには、単相のGaNを作製することが必須であるが、これはNH_4ClとNH_4BrまたはNH_4Iの混合鉱化剤(NH_4Cl80%以上)を使用することで、NH_4Clよりも活性かつ育成結晶がcubic相を含まない条件を見出した。また、鉱化剤の種類によって壁面に自発核発生した針状結晶の成長方位に変化が見られ、c軸方向の成長は、Cl>Br>Iであるが、m軸方向ではCl<Br<Iとなった。鉱化剤による育成方位の制御は、水熱合成法によるZnO作製でも行われており、GaNでも同じように鉱化剤や添加物による育成方位制御の可能性を見出した。
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