2008 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性半導体のドーピングによる磁性制御と電界制御磁気デバイスへの応用
Project/Area Number |
18360006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
滝田 宏樹 University of Tsukuba, 名誉教授 (00011213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 眞司 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (40221949)
高増 正 物質・材料研究機構, 量子ドットセンター, 主幹研究員 (60212015)
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Keywords | スピントロニクス / 強磁性半導体 / 分子線エピタキシー / 不純物ドーピング / フェルミ準位 / 電界効果トランジスター / 磁性制御 |
Research Abstract |
本研究課題では室温強磁性半導体の候補として注目されている(Zn.Cr)Teを対象とし、不純物のドーピングないし外場による磁牲の制御を目指して研究を行った。これまでの研究で(Zn,Cr)Teの強磁性特性はドナーないしアクセプター性不純物のドーピングにより大幅に変化することが判明している。すなわち強磁性はアクセプターである窒素をドープすると強磁性転移温度Tcは低下し、逆にドナーであるヨウ素をドープするとTcは大幅に上昇する。この強磁性特性の変化は結晶中のCr分布の一様の違いに起因し、ヨウ素をドーピングした結晶ではCrが高濃度に凝集したナノ領域が形成され、これが強磁性クラスターとして作用することが高い転移温度の原因であることを明らかにした。この発見は荷電不純物のドーピングによりCr凝集領域の形成の制御し、結晶全体の磁化特性を制御するという手法の確立につながると考えられる。 また、(Zn,Cr)Te/(Zn,Mg)Teのヘテロ構造による電界効果トランジスター型構造の作製により外部電界による(Zn,Cr)Teの磁性の制御を試みた。外部電界による(Zn,Cr)Te中のフェルミ準位のシフトにより(Zn,Cr)Te層の磁性を変化させるために最適な構造を検討し、そのような構造を実際に作製した。また(Zn,Cr)Te層の磁化特性の変化を磁気光学効果により検知可能であることを確認するため、厚さの薄い(Zn,Cr)Te層の反射配置で磁気円二色性(MCD)の測定を行い、磁化に比例したMCD信号強度が得られることを明らかにした。
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Research Products
(18 results)