2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノフォトニクス構造により配光制御した照明用発光ダイオードに関する研究
Project/Area Number |
18360008
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
平松 和政 Mie University, 大学院・工学研究料, 教授 (50165205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 秀人 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70209881)
元垣内 敦司 三重大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00303751)
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Keywords | 選択成長 / InGaN / A1GaN / 反射光モニタリング / 転位密度 / 配光制御 / 電子線リソグラフィ / 渋紙 |
Research Abstract |
配光制御構造を有する照明用LED作製を目指して今年度は(1)窒化物半導体の選択成長に関する基礎検討,(2)LED光の配光制御構造の設計と作製,(3)LED照明の応用に関する検討を行った。 窒化物半導体の選択成長技術においては,選択成長によりInGaN/GaNのピラミッド構造を作製し,青色発光が得られた。カソードルミネッセンス(CL)測定を詳細に行うと,ピラミッド構造の底部より頂上部において,CL強度が増加し,ピーク波長が長波長側にシフトしていることが明らかになった。 また,反射光モニタリングを活用し,GaNの選択成長条件を詳細に検討することによって,選択成長したGaN上にクラックのない平坦なAlGaN(AlNモル分率0.52)を得ることに成功した。また,転位密度を測定したところ3×10^8cm^<-2>で従来の結晶成長技術に比べ,2桁の低減ができた。 LEDの配光制御構造については,ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルムに電子線リソグラフィ技術により回折レンズ構造を作製した。得られた構造とLEDチップ(配光角120°)を組み合わせLED配光測定器で配光特性を評価したところ,配光角40°に集光できるレンズ構造になっていることを確認した。 LED照明の応用に関する1例として,LED照明と伊勢形紙を組み合わせた照明への応用に関する検討を行った。伊勢形紙の材料として用いられる渋紙は白色の美濃和紙に柿渋を塗って乾燥させたものである。本研究では,渋紙の光学的特性及び色彩特性の評価を行ったところ,渋紙は青や緑の光を吸収しやすく,赤い光は拡散透過しやすいことがわかった。この結果から渋紙とLED照明を組み合わせるための指針を得ることができた。
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