2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360011
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
筒井 哲夫 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 教授 (40037982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 克彦 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (20281644)
片平 賀子 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (90315143)
安田 剛 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (30380710)
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Keywords | 有機半導体 / 太陽電池 / 偏光検出 / フタロシアニン / ペリレン誘導体 / 光電変換素子 |
Research Abstract |
前年度に、素子背面に置かれた白黒の検出が可能な透明有機フォトディテクターの作製に成功し、国際的に評価の高い学術雑誌に投稿し掲載されている。これより、有機半導体を用いた検出器を作製する当初の研究目的はほぼ達成された。今年度はこれまでに得られた知見、作製技術を元に更なる特性向上とデバイス作製の簡便化に挑んだ。前年度の透明有機フォトディテクターの素子構成は有機太陽電池の典型材料である金属フタロシアニンとペリレン誘導体の真空蒸着積層膜であり、材料、素子構造の面において従来型と同じであった。今年度は透明有機フォトディテクターを簡易なプロセスである塗布法で作製可能にするため、可溶性のフラーレン誘導体(n型)、可溶性のπ共役ポリマー(p型)の混合膜であるバルクヘテロ型光電変換素子の作製に取り組んだ。成果としては典型的な可溶性フラーレン誘導体のPCBMよりも、溶解性の高い材料の合成に成功しMEH-PPVとの混合膜で変換効率0.47%を達成した。また、他の成果としてはPCBMとP3HTの混合膜と陰極の間にフラーレンを5nm挿入することで、変換効率が1.81%から2.06%に向上し、PCBMとMEH-PPVの混合膜にフラーレンを10nm挿入した場合には2.52%から2.82%にまで効率が向上した。フラーレン薄膜を活性層と陰極間に挟むことによる効率の向上は、フラーレン層が光学的スペーサーあるいはエキシトンブロック層として機能したことによると考えられる。
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