2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360012
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
坂本 謙二 National Institute for Materials Science, ナン有機センター, 主任研究員 (00222000)
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Keywords | 光誘起配向 / 有機デバイス / 分子配向制御 / ポリイミド / アゾベンゼン / ナノシート / ペンタセン / 分子配向パターン |
Research Abstract |
アゾベンゼンを骨格構造に含むポリイミド(Azo-PI)光配向膜上のペンタセン分子の配向挙動を詳細に調べた。Azo-PI骨格構造の配向秩序度が異なる光配向膜を作製し、その膜上にペンタセンを真空蒸着して形成した厚さ30nmの薄膜の分子配向、表面形状、結晶性を偏光赤外分光法、原子間力顕微鏡(AFM)、X線回折により調べた。その結果、Azo-P I骨格構造の配向秩序度が高くなると、ペンタセンの分子面の配向が90度回転することがわかった。配向秩序度が低いときはペンタセンの分子面は平均としてAzo-PI骨格構造の配向方向に平行に、配向秩序度が高くなると垂直に配向する。また、ペンタセン薄膜の結晶性は、Azo-PI骨格構造の配向秩序度の増加と共に向上することがわかった。AFM像観察から、ペンタセン薄膜は樹枝状のグレイン構造と、Azo-PI骨格構造の配向方向に対して垂直方向に伸びた線状のアイランド構造から構成されていることがわかった。線状のアイランド構造の存在がペンタセン薄膜のホール移動度の低下の原因であると考えられるので、蒸着条件を最適化する、あるいはAzo-PI光配向膜の表面エネルギーを制御することによって線状アイランド構造のないペンタセン薄膜を形成することが今後の課題である。 分子構造が異なるAzo-PI膜上にフルオレン-ビチオフェンコポリマー(F8T2)薄膜をスピンコート法により形成し、ボトムゲート・トップコンタクト型高分子FETを作製しその特性を調べたが、FET動作は確認できなかった。Azo-PI光配向膜とF8T2膜の間に配向情報保存型バッファー層を挿入する、あるいはFET構造をトップゲート型に変えることが有効と思われる。 Azo-PI光配向膜を極薄化することによりAzo-PI光配向膜を有機電界発光(EL)素子構造に挿入し、偏光高分子EL素子を試作することに成功した。
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Research Products
(13 results)