2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360012
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
坂本 謙二 National Institute for Materials Science, ナノ有機センター, 主幹研究員 (00222000)
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Keywords | 光誘起配向 / 有機デバイス / 分子配向制御 / ポリイミド / アゾベンゼン / ナノシート / ペンタセン / 分子配向パターン |
Research Abstract |
アゾベンゼンを骨格構造に含むポリイミド(Azo-PI)光配向膜(赤外吸収の二色比が6以上を示す高配向膜)を形成した基板上に、基板温度を変えて蒸着レート0.3nm/minでペンタセンを30nm蒸着して、その膜の表面形状と分子配向を調べた。基板温度を室温から40℃、50℃と増加させていくと、線状のアイランドが減少し、樹枝状グレインのサイズが増加することがわかった。また、基板温度の上昇とともにペンタセン薄膜の分子配向の異方性が低下することがわかった。 Azo-PI光配向膜上に形成したフルオレン-ビチオフェンコポリマー(F8T2)膜を活性層とするボトムゲート・トップコンタクト型電界効果トランジスタ(FET)を作製したが、そのトランジスタ動作を確認できなかった。その原因を調べるためにAzo-PI以外のポリイミド膜上にF8T2膜を形成し、そのFET特性を計測した。その結果、液晶ディスプレイ用に開発されたポリイミド膜上にFETを形成したとき、良好なFET特性がえられた。しかし、そのポリイミド膜をラビング処理してからFETを作製したところキャリア移動度は2桁低下した。これは、ポリイミド膜表面の平滑性の重要性を示唆する結果である。Azo-PI光配向膜の表面粗さを改善することが今後の課題と考えている。また、Azo-PI光配向膜を挿入したトップゲート・ボトムコンタクト型FETを作製したところ、トランジスタ特性を確認することができた。これは、トップゲート型構造の有効性を示唆する結果である。 昨年度、極薄(厚さ2.8nm)Azo-PI光配向膜をITO電極とポリフルオレン(PFO)層の間に挿入することにより、青色偏光高分子ELデバイスを作製することに成功した。今年度はPFOの膜厚を最適化することにより、電流効率を2倍(0.3cd/A)向上させることに成功した。
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