2006 Fiscal Year Annual Research Report
スメクティック液晶の局所分子秩序と層構造の放射光マイクロプローブによる解析
Project/Area Number |
18360013
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
飯田 厚夫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (10143398)
|
Keywords | 放射光 / X線マイクロビーム / 液晶 / スメクティック液晶 / 非球面ミラー / 共鳴X線散乱 / 層構造 / X線小角散乱 |
Research Abstract |
平成18年度は液晶試料からの高角X線反射により分子間の層内秩序と小角散乱により層構造々同一の微小領域から実験的に求める実験を行なった。また数十μmのX線ビーム径を持つX線マイクロビームを構築した。 実験は高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所・放射光研究施設・偏向電磁石ビームラインBL-4Aを利用して得られる放射光をX線源として行った。スメクティック液晶に見られる興味深い組織の多くは、セル厚に近い数ミクロンの空間的サイズを持つ。このような領域を調べるために十分な性能(空間分解能、角度発散、強度)を持ったX線光学系を整備する。X線全強度・X線密度・ビームサイズを最適化するために、20〜30μmのビームサイズを持ったKirkpatrick-Baez光学系を使用することとした。平板ミラーを応力により湾曲させ非球面を実現する新しい方法を開発し光学系のテストを行なった。この方法は、非球面形状を制御することができるので、カットオフエネルギーの制御や、ビームサイズの変更などが可能になる。これまでのところほぼ計算値に対応したビームサイズ・X線強度が得られている。 一方、分子間の層内秩序と層構造を同一の微小領域から実験的に求める実験を行なってきた。一方共鳴X線散乱の強度の見積もりを行い、不十分であるが実験的に信号を始めて得ることに成功した。共鳴X線散乱強度は微弱であり、一方液晶試料は損傷を受けやすいので、ビームサイズ・X線光子密度の最適値を探している。
|