2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360020
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平山 博之 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60271582)
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Keywords | 量子閉じ込め / 2次元電子系 / 表面 / 走査トンネル顕微鏡 / 数値計算 |
Research Abstract |
本研究の目的は、i)以上に述べたSTM探針を用いた表面への閉曲線の書き込みによる人工原子の実現をSTMをベースとした分光(STS)とdI/dVマッピングにより、閉曲線内に閉じ込められた2次元電子の量子準位とその固有波動関数の実空間分布を観測することにより確認すること、ii)人工原子デザインのために任意の閉曲線内に閉じ込められた2次元電子状態の数値計算ソルバーを開発すること、iii)これらを通し、人為的にデザインした人工原子を√3-Ag表面に実現する方法を確立すること、およびiv)√3-Ag表面に複数の人工原子を描画し、その形状・間隔・オーバーラップなどをコントロールすることで、artificialな人工原子のデザインと作成を、例えば次頁の図中のpreliminaryな計算結果に示した量子状態波動関数分布を持つような、"人工分子"へと発展させることである。 本年度は、 1)√3x√3-Ag表面へのSTM描画方法を用いて、√3x√3-Ag表面に対称性を故意に崩した形状のナノサイズ閉曲線を描画し、その中に閉じ込められて量子化された電子のエネルギー状態密度をSTMを用いたdI/dVマッピングの方法により、室温においてナノスケール実空間観察した。 2)上で得られた結果を、昨年度までに開発した有限要素法をベースにした任意形状2次元人工原子の電子状態の数値計算ソルバーによって、まず有限メッシュとして良好に表現しうる要素数を確定して上で計算した結果と比較検討した。これにより、どの程度複雑な形状の表面2次元人工原子の電子状態まで、数値計算ソルバーにより予測可能であることが検証できた。 3)室温における量子状態観察の明瞭姓とサイズの関係を調べ、これを元に室温で動作する人工原子構築の際のキーパラメーターとなる表面電子-格子相互作用による電子寿命を定量的に評価した。
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Research Products
(5 results)