2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360022
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
種村 眞幸 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (30236715)
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Keywords | ナノ材料 / ナノファイバー / ディスプレイ / イオン衝撃 / C(炭素) / 自己再生 / ナノカーボン / 電界電子放射 |
Research Abstract |
カーボン被覆されたSi、金属、プラスチック等のカーボン材料にArイオン照射を行うと、カーボン表面に高密度の円錐状突起が形成され、更にその突起先端に単一(即ち、各先端に一本だけ)カーボンナノファイバー(CNF)が室温で成長する。本研究は、このイオン誘起CNFを用いた、従来の常識を覆す、「超高真空を必要としない大型・長寿命・フレキシブル(折り曲げ可能)な電界電子放射型ディスプレイの開発」を目標に実施している。本年度の具体的成果は以下の通りである。 1)加熱・冷却実験(最適基板の決定):耐熱性を有するポリイミド基板と非耐熱性高分子基板を用い、何れの基板においても、基板水冷条件下でのCNF形成を実証した。合成条件によって、導電性に差が生じることも明らかにされた。200℃以下の加熱合成実験では、得られるCNFの結晶性は温度によらず非晶質様であった。電子放射時の基板温度上昇を考慮すれば、基板はポリイミドが最適であろう。 2)異種元素ドーピングによる自己再生速度の制御:CNF合成時に異種金属を同時に供給することで、金属ドープCNFの形成が可能であった。これら金属ドープCNFでも、自己再生現象が生ずることが確認された。また、CNF合成時に、同種元素である炭素を同時に供給することでCNFのサイズ、形態制御が可能であった。細いCNFでは安定した自己再生が認められ、結果的に安定した電子放射が実現された。 3)自己再生型長寿命フレキシブルFEDの試作:ポリイミド基板とプラスチック基板上の蛍光体から成る、オールプラスチック製のフレキシブルディスプレイを試作し、湾曲状態で16時間以上の安定した電子放射が確認された。また、個々のCNFの電子放射特性解析を行い、単一CNFから10μAを超える電子放射が可能であることが明らかにされた。 4)成果の公表と技術移管:これらの結果は遅滞なく適宜国際誌上で報告された。
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Research Products
(19 results)