2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360024
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桑原 裕司 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (00283721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 彰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90294024)
赤井 恵 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50437373)
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Keywords | トンネル現象 / 表面・界面特性 / 量子細線 / 有機導体 |
Research Abstract |
本年度は有機薄膜からのトンネル電流誘起発光分析手法(フォトンSTM)の高度化に関して 1.フォトンマップと発光スペクトルの同時取得システムの構築 2.表面微細構造を用いたプラズモン増強分子蛍光発光の実空間分解能評価 3.プラズモン誘起現象を用いた有機EL素子の発光増強の評価について研究を行った。 1では、昨年度新規導入した高感度フォトン検出システムを用いて、複数の光ファイバーを発光点近傍に配置することにより、フォトンマップ(STMトポグラフ像と各ピクセルからの発光強度を同期させることによる発光強度の二次元マッピング)と、発光スペクトルを同時取得できるシステムを構築した。 2では、ナノスフィアリソグラフィーを用いた金の微細構造を透明電極上に作製し、1で構築したシステムにより、プラズモン発光の空間分解能を詳細に評価した。これを基板としてフタロシアニン薄膜を蒸着により作製し、分子からのプラズモン増強蛍光のみを検出する蛍光発光イメージングの取得に成功し、トポグラフ像と同等の空間分解能を有していることを確認した。 3では、有機EL素子として、"ITO透明電極/金微細構造/フタロシアニン薄膜(ホール輸送層)/Alq3薄膜(電子輸送層及び発光層)/Al電極"のサンドイッチ構造を実際に構築し、金微細構造の有無によるEL発光のプラズモン増強効果を評価した。金微粒子がある場合は、ない場合に比べて5〜20倍の発光強度が増加し、明らかなプラズモン増強効果を確認した。
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Research Products
(6 results)