2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノインプリント・シーディングによる単結晶シリコン薄膜の形成に関する研究
Project/Area Number |
18360025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浅野 種正 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 教授 (50126306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐道 泰造 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 助教授 (20274491)
權丈 淳 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 助手 (20037899)
宮尾 正信 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 教授 (60315132)
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Keywords | 薄膜トランジスタ / ナノインプリント / 金属誘起固相結晶化 / レーザーアニール / シリコン薄膜 / 多結晶シリコン / システムオンパネル |
Research Abstract |
本研究は、金属ナノインプリントによる結晶シーディングを用いた大粒経のシリコン単一結晶育成技術を、産業用途を目指してレーザー照射溶融による再結晶化へと発展させ、結晶方位も制御した高品質の単結晶シリコン薄膜を非晶質基板上に生成する技術を創造することを目的としている。先ず、レーザーアニールにおいてシーディングの概念が成り立つか否かを調査するため、絶縁膜(二酸化シリコン膜)上に単結晶シリコン薄膜を形成した半導体基板(SOI基板)を利用して、大きさ100nm以下の単結晶シリコン種結晶を作製する技術を開発し、それを被覆するように堆積した非晶質シリコン薄膜に塩化キセノンエキシマレーザーを照射した場合に形成されるシリコン結晶の結晶方位を調査した結果、レーザーアニールによってもシーディングの概念が成り立つことがわかった。ニッケルを触媒金属としてナノインプリントし、非晶質シリコン薄膜を600℃未満で熱処理して金属誘起固相結晶化現象で所望の位置に発生させた結晶粒は基板面垂直方向に<111>結晶軸をもって配向する。この現象を利用して大きさが数十ナノメートルと見積もられる種結晶をアレイ状に配置し、そこにエキシマレーザーを照射した結果、レーザーアニールによる溶融段階で種結晶までもが完全溶融し、シーディングが行えないことがわかった。これは、種結晶がシリコン薄膜の表面に存在するために、レーザーアニールにより、種結晶までもが融解してしまうためであることがわかった。ナノインプリントにおいてもシーディングの概念を成り立たせるために、シリコン薄膜二層構造プロセスを新たに考案した。一層目のシリコン層に対してナノインプリントで種結晶を育成し、それを覆うように二層目の非晶質シリコン薄膜を堆積してレーザー照射を行うものである。この方法で、全ての結晶粒を<111>方向に配向して成長させることに成功した。触媒金属の微小量配置法として、ニッケルナノ粒子のインクジェット法を調査した結果、所望の位置に単一の結晶粒を配置できることも実験で示した。
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