2008 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性の発生機構解明のためのヒト眼底分子ラマン分光イメージング装置の開発
Project/Area Number |
18360029
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安野 嘉晃 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (10344871)
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Keywords | 分光 / OCT / 加齢黄斑変性 / 眼底 / トモグラフィー |
Research Abstract |
眼底網膜・脈絡膜の分光特性を計測することを目的とした分光器型の光コヒーレンストモグラフィー装置、および、その付随アルゴリズムの開発を行った。分光器ベースの光コヒーレンストモグラフィー装置として、中心波長1.04um、深さ分解能4umの高進達spectral domain光コヒーレンストモグラフィー装置の開発を行った。本装置は、46,900A-lines/secの計測速度を持っており、1.4秒で眼底(網膜・脈絡膜)の三次元断層情報を計測することが可能である。本装置は、すでに臨床試験段階に入り、20例以上の病眼(主に加齢黄斑変性、およびポリープ状脈絡膜新生血管)の検査を行った。この臨床試験により、本装置の臨床有用性が強く示唆されている。また、本装置で得られた信号の分光情報を解析するためのアルゴリズムの開発を行った。本アルゴリズムは、一個のボリュームトモグラフィーを動的、かつadaptiveにスペクトル解析することにより、支配的な吸収要素のスペクトル特製、および、その吸収要素の各A-lineにおける支配率を算出するアルゴリズムである。本アルゴリズムはいまだ開発段階であるが、現時点で、動的に酸化ヘモグロビンの吸収特性、および、その空間分布を算出することが可能になりつつある。また、上記アルゴリズム開発と並行して、基本となる光コヒーレンストモグラフィーの根本改良も行った。この改良により、トモグラフィーの深さ計測範囲を従来の2倍に拡張することが可能になり、臨床上頻繁に出現する、深さ方向の広がりの大きい病変、および、近視眼・緑内障で頻繁に現れる深い陥凹の患者にも対応することが可能となった。
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Research Products
(9 results)