2007 Fiscal Year Annual Research Report
半導体フォトニック結晶スラブ導波路における光パルス伝搬と非線形光学現象の基礎研究
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18360030
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
浅川 潔 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (20375405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 久遠 千歳科学技術大学, 客員教授 (30021934)
杉本 喜正 独立行政法人産業技術総合研究所, 超高速光信号処理デバイス研究ラボ, 主席研究員 (60415784)
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Keywords | フォトニック結晶導波路 / 非線形光学効果 / 光カー効果 / 自己位相変調 / 誘導ラマン散乱 / 超小型全光スイッチ / 超高速化 / 低エネルギー化 |
Research Abstract |
近年注目のフォトニック結晶スラブ導波路(PC-WG)は、強い光局在化や低群速度利用による光非線形・超小型・超高速・超低エネルギー光デバイスに有望である。筆者らはこれまでGaAs系PC-WG中のInAs-QD(量子ドット)のキャリア実励起型光非線形効果を用いてSMZ(対称マッハ・ツェンダー)型全光スイッチ(PC-SMZ)を実現した(エネルギー:〜100fJ、スイッチ速度:数10ps)。今後、更なる高集積化・低エネルギー化には、1.55μmに対してAIGaAsを用いた仮想励起型(非実励起)多光子過程の利用が有望である。 本研究では、この様にキャリアの実励起回避が可能な光カー効果に基づく自己および相互位相変調(SPMおよびCPM)、格子振動による誘導ラマン散乱(SRS)などの非線形光学現象を観測し、超低エネルギー動作が可能な光-光スイッチや光増幅素子実現のための基礎研究を行う。1年目(18年度)は、Al_<0.26>Ga_<0.74>As系PC-WG(格子定数:444nm、コア厚:260nm、全長:1mm)を作製し、1.55μm帯におけるSPMの観測に成功した。即ち、パルス幅1.6ps、繰り返し80MHzの入射光で、SPM特有の2つのピークに分裂したスペクトル広がりを有する透過光が得られた(位相シフト量:約1.3π/1mm長・2.1W)。本研究の2年目(19年度)は、光の発生・増輻・波長変換などの応用を目指したSRSの観測に成功した。即ち、自然放出ラマン散乱実験での散乱効率と量子論的計算から、本構造で10dBの増幅利得を予測した。更に、ポンプープローブ法(1,537nm、1,605nm)で、SRSプローブ光の増幅強度とポンプ光の強度・波長依存性を求め、SRSによる増幅現象を確認できた。本研究における非線形光学効果の研究成果は、次世代超高速フォトニック・ネットワークの超小型・低エネルギー・超高速光-光スイッチや光増幅器などに貢献する。
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