2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しいポテンシャル制御量子井戸の巨大電界屈折率効果による光制御
Project/Area Number |
18360035
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
荒川 太郎 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 准教授 (40293170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 邦雄 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00010710)
羽路 伸夫 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30180920)
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Keywords | 光変調器 / 光スイッチ / 半導体 / 量子井戸 / 分子線エピタキシー / 電界屈折率効果 / 屈折率変化 / 位相変調 |
Research Abstract |
本研究は,上記の新しい動作原理に基づくポテンシャル制御量子井戸として,非対称三重結合量子井戸を提案し,理論的に予測された極めて優れた電界誘起屈折率変化特性を実証するとともに,干渉型光変調デバイスを試作し,その有用性を示すことを目的とする.平成19年度は以下の成果が得られた。 1.GaAs/AlGaAs非対称三重結合量子井戸構造の分子線エピタキシー法による作製と評価:昨年度に設計を行った非対称三重結合量子井戸を実際に分子線エピタキシー法により作製し,評価を行った.低温フォトルミネセンス法により量子井戸層の構造評価を行い,ほぼ設計通りの構造ができていること,界面平坦性も良好であることがわかった.次に,室温光吸収電流測定を行い,理論計算で予測された非対称三重結合量子井戸特有の急激な吸収係数変化が生じており,本構造が有望であることがわかった.これにより,光制御デバイス化の見通しがついた。 2.長波長系InGaAs/InAlAs五層非対称結合量子井戸構造の作製:GaAs非対称三重結合量子井戸と関係の深い構造として,InGaAs/InAlAs五層非対称結合量子井戸構造を分子線エピタキシー法により作製を行った.低温フォトルミネセンス法による評価を行い半値幅10meVと良好な構造が作製されていることがわかった.室温光吸収電流測定も行い,理論計算で予測された五層非対称結合量子井戸構造に特有な軽い正孔に関する吸収係数変化が生じていることがわかった.このことから,InGaAs/InAlAs材料系でも,良好な非対称三重結合量子井戸構造が作製可能であることが示唆された.
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