2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360041
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
熊谷 寛 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00211889)
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Keywords | シリコン / 原子波 / レーザー / ミラー / 位相制御 |
Research Abstract |
シリコン原子をレーザー冷却すると、同位体分離できるだけでなく、初めて、シリコン原子から原子波としての振る舞いを引き出すことができる。原子波であれば、光と同じように空間的に位相制御でき、原子波ホログラフィーが実現できる。シリコン原子波で原子波ホログラフィーが実現できれば、同位体シリコン原子を実像として空間的に配列できる技術に繋がる。したがって、研究全体の最終目標をシリコン原子波の原子波ホログラフィー技術の開発に設定し、同技術を開発する上で極めて重要なシリコン原子波の位相制御技術の開発を、3年間で実現を目指している。 平成18年度は、シリコン原子波の位相制御技術の開発に必要な、単一周波数、高輝度ナノ秒深紫外コヒーレント光源の開発及びシリコン原子波ミラーの原子層堆積技術の開発を行なった。具体的には、単一周波数波長可変レーザー(波長可変、瞬時線幅1MHz以下)を用いて、ナノ秒チタンサファイヤレーザーの共振器に縦モード及び横モードの両整合を図ることで、効率よく注入同期を実現できた。さらには2個の非線形結晶により第3高調波を発生させることで、直接シリコン原子に共鳴できるほどの、単一周波数ナノ秒深紫外コヒーレント光源を開発した。シリコン原子波ミラーの原子層堆積技術の開発に関しては、世界で初めて、シリコン原子波の原子波ミラーを設計した。さらに、シリコン原子波ミラーを作製するための、原子層堆積技術を開発した。シリコン原子波の原子波ミラー作製において、高屈折率材料の膜厚精度は1nm程度であり、膜厚の制御が極めて難しいことが判明している。そこで、研究代表者が以前軟X線ミラー作製において開発した、酸化物の原子層堆積法を適応した。同原子層堆積法を用いることで、原子波ミラーの構成要素であるAl_2O_3薄膜とTi_xAl_yO_z薄膜からなる原子寸法精度のデジタル堆積技術を開発した。
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Research Products
(5 results)