2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360041
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
熊谷 寛 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 教授 (00211889)
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Keywords | シリコン / 原子波 / レーザー / ミラー / 位相制御 |
Research Abstract |
シリコン原子をレーザー冷却すると、同位体分離できるだけでなく、初めて、シリコン原子から原子波としての振る舞いを引き出すことができる。原子波であれば,光と同じように空間的に位相制御でき、原子波ホログラフィーが実現できる。シリコン原子波で原子波ホログラフィーが実現できれば、同位体シリコン原子を実像として空間的に配列できる技術に繋がる。したがって、研究全体の最終目標をシリコン原子波の原子波ホログラフィー技術の開発に設定し、同技術を開発する上で極めて重要なシリコン原子波の位相制御技術の開発を、3年間で実現を目指している。 平成19年度は、シリコン原子波の位相制御技術の開発に必要な、単一周波数、高輝度ナノ秒深紫外コヒーレント光源の周波数安定化技術の開発とイオンビームスパッタ法によるシリコン原子波ミラーの作製を行った。具体的な研究実績は、まずナノ秒チタンサファイヤレーザーの共振器に常にシード光の縦横モード整合をとり、周波数を安定化させる技術を開発した。さらにシード光の周波数を変化させても絶えず効率よく注入同期できる制御システムを開発した。周波数安定化した単一周波数近赤外光を非線形結晶により波長変換させることで、直接シリコン原子に共鳴できる、単一周波数ナノ秒深紫外コヒーレント光源を開発した。 次にシリコン原子波ミラーを作製するための、イオンビームスパッタ技術を開発した。シリコン原子波の原子波ミラー作製において、高屈折率材料の膜厚精度は1nm程度であり、膜厚の制御が極めて難しいため、イオンビームスパッタ条件を調査した。条件だしされたイオンビームスパッタ法により高屈折率材料と低屈折率材料の2層膜からなるシリコン原子波ミラー構造を作製した。
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